(Newton 筋肉と技の科学知識より)
体の柔軟性は関節が動く範囲の広さと関節の動きやすさと言えます。
柔軟性を決める要素は大きく分けて3つあります。
①関節の構造
②結合組織の特性
③神経の制御
以上の3つになります。人体には硬い組織の骨、軟部組織の筋、靭帯、血管、神経があり骨と骨とを軟部組織でつなぐ部分が関節となります。
①関節の構造は骨の形、つながり方によって関節を動かせる範囲、方向の限界は決まっておりトレーニングでは変えるはできません。
②結合組織の特性は靭帯、筋、腱の特性によって関節の動ける範囲、動きやすさが変わります。特性はトレーニングで変える事ができます。
③神経の制御は筋、腱に力が加わり過ぎるのを防ぐため筋の伸び縮みできる範囲や強さは神経によって制限されています。制限の範囲はトレーニングによって広げる事ができます。
リハビリテーション室長 見田忠幸
人間の身体の中で骨は一生の間休むことなく古い骨を壊して新しい骨をつくって入れ替えています。骨の代謝作業は、骨を壊して吸収する破骨細胞と新しく骨をつくる骨芽細胞という二つの細胞が受け持っています。骨吸収と骨形成は通常バランスよく保たれていますが、バランスが崩れると骨粗鬆症が進行します。
骨粗鬆症の診療では血液や尿を用いた検査も行われ、血清カルシウムやリン、たんぱく質や貧血の有無といった一般的な検査以外に、骨代謝マーカー測定というものがあります。骨代謝マーカーには骨吸収マーカーと骨形成マーカーがあり、古い骨が壊され新しい骨がつくられる過程で産生される物質を血液や尿で測定するものです。
骨代謝マーカーは骨粗鬆症の診断には用いられませんが、骨粗鬆症の状態の評価や将来の骨量減少の予測、治療開始の時期や治療する薬剤の選択、治療効果のモニタリングなどに用いられます。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献
骨粗鬆症の最新治療、石橋英明監修、主婦の友社、2016
骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版、骨粗鬆症治療の予防と治療ガイドライン作成委員会編集、ライフサイエンス社 2015