本日をもちまして秋山整形外科クリニック開院7周年を迎えることができました。これもひとえに、患者様、スタッフ、関連する業者の方々、家族など周囲の皆様のご厚情とご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
これからもスタッフともども、皆様に対して親身になった気遣い、心遣いを心がけ、より深い信頼関係を築けるように努力を続けたいと思っております。
今後とも相変わらずご愛顧を賜りますよう心よりお願い申し上げて、7周年のご挨拶とさせていただきます。
秋山整形外科クリニック院長
理学療法1回の治療は約20分(1単位)となっています。初めての治療時は患者さんの病態、日常生活上どの様な事で困っているのか?問診から開始します。勿論、事前に患者さんに関する情報(単純X線画像、診察時の情報)はしっかりとチェックしています。
最初の理学療法は、ほとんどの時間を評価に割くことが多くなります。約20分で評価を行い、その評価から総合的に治療を考え実施します。
理学療法の流れ
理学療法(1単位20分)
◉ 評価
・単純X線画像(レントゲン)
・問診
・疼痛についての評価
・関節可動域(関節が動く範囲)
・筋力(5段階で評価)
・整形外科テスト(関節・靭帯・筋にストレスをかけ柔軟性や痛みを評価する)
・歩行・歩容など動作分析
・計測(脚長差など)
・超音波解析画像(エコー検査)
→総合的に病態、状態を把握して治療計画を考えます。
◉ 治療を実施
リハビリテーション室長 見田忠幸
先日、名賀医師会で介護保険主治医意見書研修会が開催されました。演題は「特別養護老人ホームの生活~その人らしい暮らしの実現に向けて」で講師は社会福祉法人名張厚生協会名張特別養護老人ホーム・コウセイ介護支援サービス副施設長田中泰宏氏でした。
超高齢社会になり様々な施設も急増しているようですが、それぞれの施設の種類や役割などに関してはあまり知られていない部分も多いのではないかと思われます。田中泰宏氏はその中でも特別養護老人ホームの歴史と役割などについて、詳しく紹介して下さいました。
特別養護老人ホームは介護老人保健施設であり、日常生活において常に介護が必要で、自宅では介護ができない方が対象の施設であるということです。つまり特別養護老人ホームは介護保険で要介護(3~5)と認定された人が介護を受けながら生活するための施設であり、利用者が施設と直接「契約」して入所するものであるそうです。それに対して養護老人ホームは身体上、環境上の理由および経済的理由により自宅で生活することが困難な高齢者が入所する施設であるそうです。つまり養護老人ホームは介護が必要かどうかには関係なく、現在おかれている環境では生活が難しく、経済的にも問題がある高齢者を養護するための施設であり、市町村が入所の可否を「措置」として入所させるそうです。特別養護老人ホームと養護老人ホームでこれだけ役割などが異なることも、あまり知られていないことですね。
特別養護老人ホームは老人福祉法の施設設備および運営に関する基準が変更となったそうです。従来型特養では入所者が居宅における生活への復帰を念頭に置いて入浴、排泄、食事などの介護、相談および援助など云々~という基準であったのが、ユニット型特養では入居者一人一人の意思および人格を尊重し、その居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入居前の居宅における生活と入居後お居宅における生活が連続したものとなるよう配慮云々~というように、かなりそのコンセプトが変化しているようです。食事に関しても従来型特養では食事を適切な時間に提供~、とあったのがユニット型特養では入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に~、と変化しています。また社会生活上の便宜の提供などに関しても従来型特養では教養娯楽施設などを備えるほか、便宜入所者のためのレクリエーション行事と行わなければならない、とあったのがユニット型特養では入居者の嗜好に応じた趣味、教養またが娯楽に係る活動の機会を提供~、と随分変化しています。ユニットケアとは利用者一人一人の個性や生活のリズムに沿ったケアであり、できるだけその人らしい生活が継続できるように支援するものであるそうです。そのためには居室やリビングなどの居住環境(ハード)と入居者中心の暮らしを育むケア(ソフト)、組織や勤務体制などのチームケアを推進する仕組み(システム)、そしてこの3つの実践するための少人数ケア体制(ファーム)が必要であり、何が欠けてもユニットケアは成り立たないということでした。
ファームの面では、少人数ケア体制としており10人前後の入居者のグループに職員を固定的に配置し、一人一人の24時間、毎日の暮らしをよく知ることにより、一人一人を把握しやすくなり馴染みの関係を作りやすくしているということでした。その人らしい暮らしのデータを入手し24Hシートというものを活用しているということでした。
ハードの面では入居者が自分の住まいと思えるような環境をつくるということです。キッチン・リビング・トイレ・入浴・洗面などが分散配置された暮らしの場と地域を感じられる場をつくるということで、自分の居場所(個室)があり、暮らしに必要な場(キッチン、トイレ、浴室)が身近にあり、地域の雰囲気を感じる場があるようにしているということでした。
ソフトの面では、今までの暮らしを続けてもらえるような暮らしをつくるという考えだそうです。治療・入院ではないので、今までと変わらず自由に飲み食いする、炊きたてのご飯を食べてもらう、好きなことをして過ごしてもらう、などという方針であるそうです。一人一人の食事リズムと習慣を知ることにより、食事時間は個別に対応するそうです。ユニットで炊飯、盛り付けすることで、あたりまえの家庭的な食事の風景を大切にしているそうです。「食べる」の考え方の基本は何よりも美味しく楽しく食事できることだそうです。
システムの面では24時間の暮らしを保証する仕組みをつくるために、入居者の暮らしに合わせた働き方のしくみと他職種との連携・情報共有の仕組みを作っているそうです。勤務の仕組みは入居者の暮らしに合わせる、日中の人手を多くする、シフトパターンの工夫などを行っており、24Hシートを活用して申し送り、記録にも工夫を凝らしているということでした。
介護職の方は腰などに負担のかかる仕事も多く、腰痛を発症する方も多いようです。クリニックにも腰痛を患った介護職の方が数多く来院されます。名張特別養護老人ホームでは職員の腰痛防止等、身体に負担がかからない介助方法を工夫しているそうです。入居者にとっても楽で安心できる介助を目指しているそうです。姿勢補助手すり、スタンディングリフト、スライディングボードなどの福祉用具を活用しているそうです。
田中泰宏氏は施設が誰のための場所か、職員の「作業の場」になっていないか、お年寄りの「暮らしの場」になっているかどうかなどと常に自省し、一人では暮らしの場を作れない皆さんのお手伝いをすることが我々の役割であると述べられました。個別ケアで職員と入居者というだけの関係ではなく、人と人、個々の信頼関係が深くなったそうです。「もし自分だったら」という入居者視点で、職員たちも自分たちの施設に入りたいと思えるような良い施設を作っていきたいと述べられました。田中泰宏氏の熱意ときめ細やかな工夫に感心いたしました。