山中伸弥、平尾誠二・惠子著「友情」を読みました。
ノーベル賞を受賞された山中伸弥先生は日本医学会の第一人者、平尾誠二氏は日本ラグビー界のスーパースターです。それぞれの道を究めたお二人は私と同世代であり、私も最も尊敬する方々です。平尾誠二氏は一昨年に惜しまれながら亡くなられましたが、生前にこのお二人がこんなにも深い繋がりで友情を温めておられたことは全く知りませんでした。
平尾誠二氏のご冥福をお祈りしますとともに、現在苦境に立たされておられる山中伸弥先生が難局を乗り切られ、再び日本医学会を牽引して頂けることを心から願っております。
骨粗鬆症は特に女性に多い病気で、患者の80%以上が女性と言われています。これには女性ホルモンであるエストロゲンの低下が大きく関わっています。
女児が思春期になって初経が始まると、卵巣から女性ホルモンのエストロゲンが分泌されます。エストロゲンは骨の新陳代謝に大きく関わりがあり、骨を壊して吸収する破骨細胞の働きを抑える役割があります。
女性は妊娠の際には胎児のためにカルシウムをおおいに使います。また母乳には多くのカルシウムが含まれるため、授乳でも多くのカルシウムを消費します。体内のカルシウム量が低下すると、骨からカルシウムが溶けだして補おうとしますが、そのままそのまま破骨細胞の働きが増すと骨がどんどん弱くなってしまいます。そこでエストロゲンが破骨細胞の形成や働きを抑えるように働き、骨が弱くなるのを防いでいるのです。
エストロゲンの分泌は50歳頃を境に徐々に分泌量が減ってきます。閉経後はさらに分泌量が低下するので破骨細胞の働きが強くなり骨からのカルシウム流出が多くなって骨粗鬆症が進行するのです。
同じように男性も男性ホルモンが骨の新陳代謝に作用していますが、男性ホルモンは女性ホルモンほど加齢によって減少しないため、骨粗鬆症は女性に多いのです。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献
骨粗鬆症の最新治療、石橋英明監修、主婦の友社、2016
先日、名古屋で運動器エコーセミナーが開催され、参加いたしました。講師は名古屋市立大学整形外科病院准教授後藤英之先生でした。
運動器エコーの基礎、肩関節、肘関節、足関節、Interventionなどについて、後藤英之先生が詳細に解説して下さいました。大変勉強になりました。
後藤英之先生は来年名古屋で日本整形外科超音波学会を開催されるそうです。可能であれば学会にも参加したいものだと思いました。
整形外科を受診される患者さんの中で、「関節の痛み」を抱えておられる方はたくさんいます。そして、その痛みの原因は関節機能障害である場合がほとんどであり、理学療法の適応となります。
関節に痛みが生じるのは「不安定な関節」であることが原因です。ここで、「不安定」と聞くと「グラグラな関節」というイメージを持ってしまいます。もちろんグラグラな状態である不安定性もありますが、「固まってしまって正常な運動軌跡をたどらない関節」、「正常の動きが失われた関節」という不安定性もあり、受診される方の病態としては後者の方がほとんどです。
一方、「痛みのない関節」とは正常の運動軌跡をたどることができる関節、つまり「可動域があり、よく動く関節」、もしくは「全く動かない関節」です。しかし、動かない関節は痛くないかもしれませんが、可動性が無いので日常生活に支障をきたすため、やはり「よく動く関節」を目指して運動療法を行い、痛みを改善していく事が最善であると思います。
リハビリテーション科 小野正博