本日、第8回奈良県野球肘検診に参加しました。私は昨年に続いての参加になります。本会は矢田コミュニティ会館で行われ、医師・臨床検査技師による肘の検査・超音波を用いた障害の早期発見、理学療法士による柔軟性のチェック、指導者への野球障害に関する説明、野球傷害相談、スポーツ栄養相談などが実施されました。対象者は少年・少女野球選手で小学生と中学生でした。
先日来の台風の影響で、試合が本日などに延期されたチームも数多くあったらしく、事前予約のうち約250人ものキャンセルがあったそうですが、それでも本日の参加者は460人であったとのことです。今日は午前中に少し空いていましたが午後には大変な賑わいでした。
今日の検診では上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が460人中6人に認められたそうです。野球肘検診をすると、だいたい1%に見つかるそうなので、今回の場合も平均くらいかと言えそうです。
上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎は軽症なら保存治療が選択されますが、重症なら手術治療を要する場合が多いです。今回の検診では上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎を認めた選手たちは症状の全くない選手も多く、症状が出てから初めて病院を受診した場合には進行期になってしまっていることが多いようです。早期発見早期治療につながる野球肘検診は野球少年、野球少女にとって大変価値の高いものだと思いました。
生まれた赤ちゃんはみんなO脚で骨の成長阻害、ビタミンD欠乏、クル病、外骨腫などの病気以外は自然に矯正され、3歳の頃には少しX脚になりますが発育とともに小学校に入学する時は真っ直ぐになります。しかし、大人のO脚は自然に治る事はあり得ません。骨が変形した事によりO脚になった場合は手術をしないと根本的には完治しません。
巷で言われているO脚が治ると言う宣伝は…。限界はありますが姿勢を正せば美しく見せる事はできます。
欧米人に比べ日本人はなぜO脚になりやすいのかと言うと日本人の靭帯の位置、筋肉の走行に特徴があるのでO脚になりやすいと言われています。
O脚が一番問題になるのは健常な脚に比べ変形性膝関節症になる確率が高く、変形性膝関節症に進行しやすいと言う事です。変形性膝関節症が進行する原因にO脚があり、その他には太りすぎ、運動不足などがあります。
進行を遅らせ少しでも防ぐ方法は体重を減らし、膝関節周囲の筋の協調性、柔軟性を高める事です。決して強い負荷の運動はせず隣接する関節を含め、少数頻回で行うことが重要です。
リハビリテーション室長 見田忠幸