新たにがんと診断される人が年間100万人を超える日本、がんゲノム医療の進んでいる欧米に追いつこうと、日本中どこでもゲノム医療が受けられる体制づくりに本格的に動き出しました。ヒトのゲノムは約30億塩基対のDNAからなります。ゲノムは生物が生きていくために必要な遺伝情報の一組をいい構造は染色体の1セットに相当します。
がんは遺伝子が傷つき変異することで起きます。同じ臓器でも変異のタイプは何種類もあり、違う臓器でも変異のタイプが同じという事もあります。遺伝情報を解析して、がんの原因となった変異を見極める治療に生かすのが、がんゲノム医療です。つまり、遺伝子変異を調べ、それに応じて薬を選ぶ治療、これまでは薬は臓器ごとに効くかどうかわからなくても使われ、効果や副作用に個人差がありました。遺伝子解析の技術が進み効く薬を事前に選べる可能性が高まり、完治への一歩へと踏み出しました。
リハビリテーション室長 見田忠幸