スギやヒノキの花粉が飛び始め、花粉症の患者さんにとって憂鬱な時期になって来ました。花粉症は植物の花粉が引き起こすアレルギーの一種です。近年、花粉症対策のスイッチOTC薬が増えているのは医療用医薬品の抗アレルギー薬の成分転用承認が相次いでいるからです。スイッチOTC薬とは医師の処方箋が必要な医療用医薬品に含まれる成分を、転用(スイッチ)した一般用医薬品です。OTCは「Over The Counter」の略語で薬局のカウンター越しで買えるとの意味があります。
スイッチOTC薬は ①安全:ある程度、安全が確立されていて副作用が少ない。②便利:医師の診察を受ける時間がない人にとって夜間、営業の街中のドラックストアなどで購入できるスイッチOTC薬は便利である。③効果が明確:医薬用の成分配合で検査はしなくても自分の感覚で効果がわかる。例えば咳・鼻水・痛みが止まるなど効果が明確である。
花粉症市販薬の市場規模はこの数年、内販薬、点鼻薬、目薬の3種類で150〜230億円で毎年の花粉症の飛散数によって大きく増減するとの事です。今春のスギやヒノキなどの花粉症飛散量は、全国平均で昨年の4倍を超える見込みです。近畿から九州の西日本で大幅増が予想されています。
リハビリテーション室長 見田忠幸
昨日、第8回スポーツメディスンフォーラムが開催されました。
今回のテーマはスポーツ現場におけるメディカルサポート-その準備と実際-でした。午前の部は個人競技におけるメディカルサポートで、冬季競技、陸上競技、柔道の3種目、午後の部は団体競技におけるメディカルサポートで、野球、サッカー、アメリカンフットボール、ラグビーの4種目の、それぞれエリートレベルチームをサポートしておられますドクターとトレーナーがメディカルサポートの準備と実際を経験されたエピソードを交えて報告して下さいました。実践的な話ばかりで大変参考になりました。本会はスポーツドクター、アスレチックトレーナーの資格更新義務研修会に指定されており、医師にもアスレチックトレーナーにも勉強になる講演会でした。
ランチョンセミナーは「マスギャザリングの問題について」で講師は順天堂大学医学部附属練馬病院救急・集中治療科准教授杉田学先生でした。私はマスギャザリングという言葉自体初めて聞きましたが、スポーツ大会は観客も含めて非常に大人数で行われる場合が多いので、この概念の理解はスポーツ大会に関わる場合には重要であるようです。2020年東京オリンピックに向けて、特殊な状況にも対応するべく救急医療体制の整備が望まれているそうです。