本日、第53回全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝が行われ、帝京大学が東海大学を33-26のスコアで下し8連覇を達成しました。試合をテレビ放送で観戦しました。
試合は序盤にFWの強さを押し出した東海大学が有利に進め、14-0まで差を広げましたが、帝京大学が反撃し前半終了時には14-14の同点でした。後半もインターセプトから東海大学がリードしましたが、その後に帝京大学が逆転し2度目のスクラムトライを奪って追いすがる東海大学の反撃をかわして逃げ切りました。最後まで緊張感の途切れない、密度の濃い見応えのある試合であったと思いました。まさに学生No.1を決めるのにふさわしい熱戦であったと思いました。
それにしても毎年メンバーの替わる学生チームで、4年経てば当然総入れ替えになるというのに8年間勝ち続けるとは、帝京大学ラグビー部、そして岩出監督の成し遂げたことの偉大さがわかります。
帝京大学ラグビー部監督岩出雅之氏が大学選手権6連覇達成時に著した本「負けない作法」を読みますと、勝ち負けは結果に過ぎない、チーム作りは「自分づくり」から、に始まりニュートラルな立場に立つことの重要性を説いておられ、岩出監督がどれだけ人間教育に傾注しているかがわかります。そして人生を25年区切りで考えて、25年先の未来から今を考えてプランニングすることを勧めるなど、長い目で見た選手の成長を促していることがわかります。25年後を見据えて、学生たちが社会で幸せに生きていく力を身につけて欲しいと心から願う岩出監督の指導を受けて8連覇を達成した帝京大学ラグビー部にますます注目が集まりそうですね。
骨粗鬆症とは骨の脆弱性が進行し、骨折しやすい状態にある全身的な骨の病気です。骨の密度がピークに達する20歳頃までに獲得する最大骨量が少ないことと、成人後新しく造られる骨の量よりも、壊して吸収されていく骨の量のほうが多くなることが原因で起こります。
現在日本の骨粗鬆症患者は1280万人以上(男性約300万人、女性約980万人)と推計されており、超高齢化社会突入に向け今後さらに増えると予想されています。
骨粗鬆症が原因で起こる骨折のことを脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折といいます。軽微な外力、一般的には立った高さからの転倒よりも小さい衝撃で発生した骨折のことを指します。高齢者に好発する骨折のうちで最も頻度が高いのは椎体(背骨)の骨折で、次いで大腿骨近位部(足の付け根付近)、橈骨遠位部(手首付近)上腕骨近位部(肩の下あたりのうで)の骨折が多いとされています。
骨粗鬆症が進行し、一度脆弱性骨折を起こすと再度骨折を起こすリスクが2~4倍高くなると言われており、これを骨折の連鎖と言います。骨折を起こすと、体を支える機能の低下や運動機能の障害をきたします。さらにはそれらの影響から諸臓器の機能障害(背骨が曲がることによる肺換気量の低下、心臓への影響、胃や腸が圧迫されることによる食欲低下、便秘など)を起こす可能性も高いです。寝たきりなど介護が必要な状態となることも多く、健康寿命の短縮、さらには死亡率の増加に繋がると言われています。
特に閉経後の女性では骨粗鬆症が原因の脆弱性骨折を起こす危険性が高いため、治療の継続と転倒予防が重要です。
骨粗鬆症対策が医療のみならず社会的にも重要な課題となっている昨今、地域の患者様に骨粗鬆症について積極的に理解していただき治療につなげていくことで、骨折の予防、生活の質向上に少しでも貢献できるよう、私達看護師もお手伝いさせていただきます。お気軽にお声がけ下さい。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
先日、奈良県医師会館で女性アスリート診療のための講習会が開催されました。講演は「女性アスリートに見られる疾病と治療 アンチ・ドーピングの基礎知識」で講師は四季レディースクリニック院長江夏亜希子先生でした。
江夏亜希子先生は産婦人科医で、女性のスポーツ・健康医学、婦人科内分泌学、思春期・更年期医学などを専門分野とされています。江夏亜希子先生は中学2年生の時にロサンゼルスオリンピックを見てスポーツドクターになることが夢となり、医師を志したそうです。江夏亜希子先生は世界水泳選手権大会のチーム帯同ドクターとしての経験もお持ちで、2010年に東京都の都心部に女性アスリートをサポートするために四季レディースクリニックを開院されました。
江夏亜希子先生も日本体育協会公認スポーツドクターをお持ちですが、2014年4月1日現在日本体育協会公認スポーツドクターは5512人の登録があるそうです。そのうち4192人が整形外科医ですが、産婦人科医は95人(女性医師15人)だけであるということです。女性アスリートの月経に伴う疾患はコンディション不良やパフォーマンス低下に直結するために、産婦人科医の需要はとても高いということでした。江夏亜希子先生は産婦人科医が主体的に女性アスリートに関わっていくことの重要性を訴えられました。月経関連疾患を抱えている女性アスリートと全ての女性たちの健やかな未来をサポートしていくために「がんばれ!やまとなでしこプロジェクト」というプロジェクトが2014年4月に発足し多くの医師・女性関連団体・スポーツ関連団体・メディアなどが力を合わせ、産婦人科受診体制の構築と産婦人科疾患の啓発をしているそうです。
第1回オリンピックは1896年にアテネで開催されましたが、選手は男性のみであったそうです。第2回オリンピックはパリで開催され、女性が12名初参加したそうです。それが今やほぼ全ての競技で男女が同様に参加するようになっています。
1984年ロサンゼルスオリンピックに出場した女子マラソンの増田明美選手は、しなくてもよい減量をして疲労骨折を起こしたそうです。2年半無月経の時があり、足に7カ所の疲労骨折を起こし、その時に骨密度は65歳と言われたそうです。2014年4月15日放送のNHKクローズアップ現代で増田明美さんが、ロサンゼルスオリンピックから30年経っているのに未だに10代女子選手が無月経、疲労骨折の問題に悩んでいることに驚いたと述べておられました。放送の解説によりますと、女性アスリートの健康上の問題についての認識がスポーツドクター全員では必ずしも共有されていないところが問題であるということです。婦人科医は月経異常、無月経を整形外科医は疲労骨折を診療しますが、それぞれ専門外の分野までは治療者側の意識がいきにくいということもあるようです。これらの問題を解決するために「がんばれ!やまとなでしこプロジェクト」などの取り組みがなされているようです。
女性アスリートにおける三大健康問題は「エネルギー不足」、「無月経」「骨粗鬆症」で女性アスリートの三主徴と言われています。エネルギー不足は無月経、骨粗鬆症の原因となり、競技生活における問題だけではなく、現役引退後の健康にも大きく影響を及ぼします。これらを解決するために、産婦人科医による月経に関連した病気や症状の治療や月経移動によるコンディション調整がなされているようです。
女性アスリートのサポートには産婦人科医の関与が必須であることは間違いなさそうですね。
くしゃみと同様に鼻に入った異物を排除する防衛反応の一つが鼻水と言えます。
鼻の機能には2つあり、吸った空気が肺に送られる前に適切な温度や湿度になるように調整するエアコンのような機能と吸い込んだ空気中に含まれる異物を取り除く、フィルターのような機能があります。
例えば細菌、ウィルス、花粉、ハウスダストなどの異物が鼻の中に侵入し、鼻の粘膜が炎症を起こし時に、鼻腔の異変を察知した副交感神経が大量に粘液、つまり鼻水を作り異物を体外へ排除しようとします。また、鼻に入った異物の種類により鼻水の成分が変わります。細菌が入った場合、細菌の死骸、白血球の一種が含まれるため粘度が高く黄色い鼻水になります。一方、花粉などアレルギー物質に反応した鼻水は白血球に加え血液中の水分が混じり水鼻になります。
鼻をかむ時は両側の穴を同時にではなく、片方ずつ穴を押さえて交互にかむことが大切です。両側を同時に強くかむと鼻水が耳に逆流し他の症状を発症する恐れがあるためです。また、鼻水が垂れるからといって強くすすることも逆流の原因になります。鼻と耳は鼓膜の奥の耳管でつながっています。鼻水には細菌やウィルスなど異物が混じっているため耳まで達すれば中耳炎の原因になり、強くかみすぎると耳の中に圧力がかかり、耳が痛くなることもあります。
リハビリテーション室長 見田忠幸