今日は東京・秩父宮ラグビー場で第53回日本ラグビーフットボール選手権大会が行われましたね。テレビで試合を観戦しました。
結果はトップリーグ3連覇のパナソニックが大学選手権7連覇の帝京大学に49-15で快勝し、2季ぶり5度目の日本一になりました。
今シーズンはラグビーワールドカップ2015が開催されたことと、日本がフランチャイズのサンウルブズが初参戦するスーパーラグビーが始まることもあって、19年ぶりに社会人王者と大学王者の一騎打ちによる1試合のみの開催になったそうです。昔に比べて社会人と学生の実力差は開いていますから、あまりのワンサイドゲームになりますと興醒めしてしまいますので、学生では圧倒的な実力を誇る帝京大学の健闘が期待されました。実際、帝京大学が個々の局面では相手を上回る力を見せた場面もありましたが、試合の入りの集中力、相手にテンポアップさせずに自分たちのペースに引き込むところなどパナソニックが社会人の試合巧者ぶりを発揮していたと思いました。またパナソニックは接点で優っていたので、常に数的優位を作っていたように思えました。帝京大学にすれば序盤の連続失点と、両ロックの負傷によりラインアウトが取れなかったことが残念でした。実力差以上に試合運びでパナソニックは圧倒していたように思えました。来シーズンの帝京大学の健闘には大いに期待したいと思いました。
終了間際には帝京大学1年生WTB竹山選手が、左隅に見事にトライを決めました。竹山選手は試合の中盤でもパナソニックSOバーンズ選手の見事なパントキックを受けてグラウンディングしようとしたパナソニックWTB山田選手のトライを間一髪で阻みました。竹山選手とマッチアップした山田選手はワールドカップでも活躍した日本代表選手で、今日も見事なスピードを披露していたパナソニックのスピードスターです。
私は竹山選手が小学生のラグビースクール時代に彼のプレーを間近に見る機会がありました。竹山選手は主にSOでプレーしていましたが、体は小さいのにパススキルとランニングスキルが高くてキックもうまくなんとラグビーセンスのある選手かと感心しました。当時は何十年もラグビーしている大人の僕よりよっぽどうまい小学生がいるものだなと思いましたが、今になると至極当たり前のことでした。今や常勝軍団の帝京大学でも1年生からスピードスターの選手です。竹山選手が将来日本ラグビーを背負う選手になることを期待しています。
今日の試合の前半に、竹山選手がうまく相手インゴールに蹴り込んでトライを狙った場面でパナソニックのLOヒーナン選手が竹山選手と競り合いうまく体を入れ竹山選手のランニングコースを遮り、竹山選手のグラウンディングを阻みました。ヒーナン選手はスピードで優る相手に対して、うまく対処して帝京大学が初トライをとれるチャンスの芽を摘みました。この場面で竹山選手は本当に悔しい思いをしたのではないでしょうか?この局面も含めて、竹山選手が今日感じたパナソニックとの力の差が、今後の竹山選手の「伸びしろ」なのではないかと思います。この竹山選手の「伸びしろ」が今後の日本代表の「伸びしろ」に、そして3年後のラグビーワールドカップ2019日本大会へ繋がれば…、などと個人的には期待に胸を膨らませています。
手術前後の絶食を減らし早期退院につなげる術後回復強化プログラムERAS(Enhanced Recovery After Surgery)が医療費削減につながるとして欧米で普及し日本の医療機関でも導入されつつあります。
大きな手術では手術の前日から絶食し術後はベッドで点滴をして、食事開始は4~5日後となっています。術前の絶食は全身麻酔時に嘔吐を起こして肺炎、窒息を防ぐためであり、術後の絶食は縫合不全などの合併症を防ぐためです。しかし、ERAS(イーラス)では手術の6時間前までは食事をとり、2~3時間前まではスポーツドリンクを飲むことが許可されています。術後は翌日からスープ食、5分粥を食し、歩行訓練・筋力向上訓練などの運動療法が始まります。
近年の研究で手術前後の絶食は消化管の機能回復を遅らせる事と安静期間の長期化が筋力低下を招く事が周知され、その結果退院日数の延長になり患者さんにも大きな負担がかかっていました。1990年代に北欧でERASは始まり、その後、各国に広がりました。英国、オランダ、スペインは医療費削減の国家戦略として実施をしています。
リハビリテーション室長 見田忠幸
関節リウマチとは、関節内を覆っている滑膜が炎症を起こし、関節痛や進行すると軟骨や骨が破壊され、関節が変形してしまう病気のことをいいます。関節リウマチが進行すると日常生活動作に制限を来し、介助が必要になるなど生活をする上での機能障害が生じてしまいます。現在、日本の関節リウマチの患者様は、60~70万人いるといわれています。また、発症年齢は30~50歳代で男性よりも女性の方が4倍も多く発症します。
治療方法として、進行状況に合わせて関節の痛みや変形を抑える薬物療法、関節可動域の改善や疼痛や筋のこわばりの軽減を目的とした運動療法などがあります。関節リウマチは、早期から適切な治療を行えば、症状のコントロールや関節破壊が進行するのを防ぐことができるといわれているので、まずは専門医に相談して下さい。
リハビリテーション科 服部 司