先日、骨粗鬆症WEBシンポジウムがあり、スタッフと講演を拝聴しました。講演は「超高齢社会における骨折予防戦略:健康寿命の延伸を目指して」で講師は国家公務員共済組合連合会虎の門病院内分泌センター部長竹内靖博先生でした。
竹内靖博先生によりますと骨粗鬆症に対する薬物治療が正しくなされると、骨粗鬆症による非外傷性骨折をおよそ半分まで減らすことができると推定されているそうです。骨粗鬆症治療が十分に普及していないことより、既存骨折を有する骨折リスクの高い患者を効率よく治療へ導く方策が必要で、効率的なスクリーニングシステムの構築が重要であると竹内靖博先生は指摘されました。そのためには既存骨折の問診と胸腰椎単純X線像評価のルーチン化が重要な課題であるということです。
現在、骨粗鬆症に対する治療薬が数多く開発され、骨折抑制効果も確立されてきているようです。竹内靖博先生は患者さまにとって負担が少なく、無理なく継続できる治療手段を個別に検討することが大切であり、骨粗鬆症治療が長期にわたることが多いために患者さまの状況に応じて数年ごとに治療法を再検討していくことも重要であると述べられました。
今回はWEBシンポジウムであったために院内で講演を視聴することができました。また看護師、理学療法士などのスタッフも一緒に講演を視聴することができました。仕事の合間に有益な講演を皆で聴くことができて、本当によかったと思います。これは便利なシステムですね。
大腿骨近位部骨折は、高齢者の四大骨折の一つと言われており、リハビリをする機会がとても多い疾患です。
大腿骨近位部骨折は、骨折の部位により3つに分類することができます。大腿骨近位部骨折は、解剖頚で骨折するものを大腿骨頚部骨折(図1)、転子間稜から小転子までの範囲で骨折するものを大腿骨転子部骨折(図2)、小転子以下で骨折するものを転子下骨折(図3)と言います。
骨折部位により手術方法が異なるので、運動療法を行う際は、レントゲン像より、骨折の程度や骨粗鬆症の程度を確認し、骨折部がズレないように注意が必要となります。
リハビリテーション科 服部 司
年末年始休診は12月29日(火)から1月3日(日)までとさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力賜りますようによろしくお願い申し上げます。
腰痛は多くの方が経験する症状の1つであり、腰およびその周辺での痛みを自覚し整形外科を受診する人も多いと思います。一言で「腰痛」といっても様々な疾患があり、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、椎間関節障害、筋筋膜性腰痛などなど、たくさんあります。これらの疾患の病態は様々であり腰痛を引き起こしている原因組織も様々ですが、この腰痛と「股関節」は密接な関係にあることが以前から注目されています。
股関節はその解剖学的位置関係から腰椎と隣接しており、互いに影響を受け合っている関係となります。つまり股関節は腰椎の「土台」であり、この股関節が安定しなければ腰椎への負荷が増大する、股関節で動きが出なければ腰椎に過剰な動きが要求されるということが予想されます。したがって股関節において良好な可動域を獲得することが重要であり、腰椎の安定性を獲得することと腰椎への負荷を減少させることが治療のポイントとなります。
当院の理学療法士は股関節・腰椎に関する詳細な評価を行い、治療を行っています。
リハビリテーション科 小野正博