年末年始休診は12月29日(火)から1月3日(日)までとさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力賜りますようによろしくお願い申し上げます。
高齢化が進み、世界の認知症患者は2050年までに3倍増になります。世界各国でその対策に取り組んでいます。日本では2015年1月に認知症で初の国家戦略を決定しました。欧州では患者が住み慣れた地域で長く暮らせる体制作りを目指して多様な試みを進めています。各国の計画はアルツハイマー病の早期発見・研究促進に加え認知症患者を孤立させず、できるだけ長く自宅で生活できる支援体制作りを重視しています。
フランスでは2001年に初の「アルツハイマー5か年計画」を策定し、病院・訪問看護師・介護士のネットワークが全国に250か所設立をされました。専門家が高齢者の自宅で早期テストを行い必要に応じてケア体制を取り組む仕組みが整い、介護を担う家族への支援強化、患者と家族が共に長期滞在できるバカンス施設の増設が進められています。
ドイツでは10人前後の認知症患者がアパートや一軒家で共同生活するシステムが普及しています。オランダでは公団住宅の真ん中に認知症村を作り患者の自由を最大限に尊重し公団の住人、職員が常に支援する体制を作っています。
各々の国は高齢化の進展で福祉予算の抑制を迫られる中、施設に頼らず患者の自活を支える体制作りを模索しています。
リハビリテーション室長 見田忠幸
先日、名賀医師会主催の平成27年度小児救急医療研修会が開催されました。講演は「小児の急性腹症」で講師は名張市立病院小児科藤井善充先生でした。藤井善充先生はもともと小児外科をされており、小児科にかわられたという経歴をお持ちだそうです。
藤井善充先生によりますと腹部疾患は小児科医のブラックボックスであり急性腹症は外科疾患の可能性大であるということです。また外科疾患か否かを診断するのは小児科医であるということから、藤井善充先生は見逃すと危険である7大疾患と小児急性腹症診断のポイントを講義して下さいました。小児の急性腹症が小児科医にとってブラックボックスであるなら、他科の医師にとってはどうなるのでしょう?本当に恐ろしい気持ちになります。緊張感を持って講義を聴かせて頂きました。
藤井善充先生が紹介して下さいました7大疾患は腸重積、潰瘍性大腸炎、鼡径ヘルニア嵌頓、小腸閉鎖、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腸回転異常、急性虫垂炎でした。さすがに小腸閉鎖に出くわすことはありえないでしょうが、応急診で勤務していても今のところどの疾患にも遭遇してなさそうです。藤井善充先生によりますと腸重積は小児200人に1人発症、潰瘍性大腸炎は好発年齢1000人に1人、鼡径ヘルニアは小児50人に1人、小腸閉鎖は5000人に1人、腸回転異常は1万人出生に1人、急性虫垂炎は小児約100人に1人の発症だそうです。単純に確率から行っても遭遇する可能性のある疾患もありそうですね。
名張市立病院では平成26年1月20日から小児救急医療センターを設置しており、24時間365日小児二次救急医療を行ってくれています。本当に心強く、有り難いことです。