肩関節周囲炎や肩関節周辺骨折などの患者さんでは、腕が上げられないという症状を伴います。その原因は様々なものがありますが、その中の一つとして「翼状肩甲」というものがあります。
この「翼状肩甲」とは、肩関節運動時に肩甲骨の内側縁が浮き上がり、翼のような形態となってしまうことを言います。そして、このような所見が得られた時には肩甲帯機能不全を疑います。肩関節の運動は、上腕骨・肩甲骨・鎖骨などが協調し合って完成されますが、運動の構成要因である肩甲骨周辺(肩甲帯)の可動域制限や筋力低下といった機能不全が生じると肩関節の挙上ができなくなります。
当院の理学療法士は、このような所見の有無をチェックしながら理学療法を行っています。
リハビリテーション科 小野正博
9月3日(木)に名賀医師会主催でアドバンスコープADSホールにおきまして、救急医療週間の講演会が開催されます。
講演1は「伊賀地域の救急医療」で講師は三重大学医学部附属病院救命救急センターセンター長・教授今井寛先生で、講演2は「最近問題となっている新しい感染症~MERSは日本に入ってくるのか?~」で講師は国立病院機構三重病院臨床研究部長国立感染症研究所客員研究員谷口清洲先生です。
皆様、どうぞお越しくださいませ。
握力は前腕など筋力の強さのバロメーターであるとともに死亡リスクの大きさや心臓血管系の病気へのかかりやすさにも関係しているという研究が発表されました。
カナダのマクマスター大学など国際研究チームが17カ国の成人に2003~2009年に実施しました。35~70歳の男女14万人、カナダ・スウェーデン・バングラデシュ・パキスタンなど先進国から発展途上国まで広い対象に研究を実施しました。握力が5kg弱くなると死亡リスクが16%増え、心筋梗塞のリスクが7% 、脳卒中のリスクは9%増加しました。
握力は最高血圧の値より死亡リスクとの関係が強く、年齢・学歴・たばこ・アルコール摂取などの要因について調整しても結論は変わりませんでした。今後の課題は筋力を高めることにより早死にを防げるかどうかの研究が必要ということです。
リハビリテーション室長 見田忠幸