12月27日から1月7日まで近鉄花園ラグビー場で第94回全国高等学校ラグビーフットボール大会が開催されています。本日はグラウンドドクターとして参加いたしました。今日の試合はノーシード校にとっては2回戦、シード校にとっては初戦となり、大会期間中試合数の最も多い日です。近鉄花園ラグビー場第1,第2グラウンド、東大阪市多目的球技広場の3つのグラウンドをフルに使って熱戦が行われました。
今日は第2グラウンド担当でした。西からの風が時折吹く比較的穏やかな天候で、いつもの東からの生駒山下ろしの冷たい強風とは違い、グラウンドに長時間座っていても凍えるほどではなかったです。シード校とノーシード校の対戦では一方的な試合結果になる場合が多いですが、ノーシード校同士の試合は拮抗する場面が多くより激しい熱戦になりがちです。しかしながら今日は第1グラウンドでAシード校が敗退する波乱もあったようです。
今日、第2グラウンドでちょっとしたハプニング?がありました。第3試合は私の担当ではなかったのでベンチで観戦していました。東福岡高校がとても強すぎてどんどん点数を重ねていくので、ついには100点に到達しました。役員の方によりますと、これまでこのグラウンドで100点を超えるスコアになることは滅多になかったということです。でも、この掲示板では100点の掲示は難しいということなんです。なぜかと言いますと、第2グラウンドの得点掲示板は第1グラウンドや第3グラウンド(東大阪市多目的球技広場)のように電光掲示板ではなく数字の札で表示するタイプで得点掲示板が数字の二桁分しかないのです。
さあ、どうなるのか?どうやって得点掲示板係のスタッフはこの難局を切り抜けるのか?
しばらくの沈黙の後で、見事に手作り?の100点のスコアが掲示されました。
得点掲示板の中のスタッフも活躍しておりました!
先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。特別講演は「皮膚疾患とQuality of Life~乾癬を中心に~」で講師は三重大学大学院皮膚科学講座准教授山中恵一先生でした。今回、山中恵一先生は悪性黒色腫、アトピー性皮膚炎、乾癬などの話を中心にわれわれ他科(皮膚科以外)の医師に講義して下さいました。
「しみ」や「ほくろ」は誰にもあるものでしょうが、これが悪性かどうかと問われると専門家でないと自信を持って答えられないものだと思います。一般に「ほくろのがん」と言われる悪性黒色腫はその臨床像の特徴をABCD rule (ABCDE rule)と言うそうです。AはAsymmetry(非対称性)、BはBorderline irregularity(腫瘍辺縁の不整)、CはColor variegation(色の濃淡)、DはDiameter generally greater than 6mm(直径が6mm以上)、EはElevation(隆起)です。成る程、これは理解しやすいですね。悪性黒色腫は内臓転移しやすいことが知られており、山中恵一先生は決して「ほくろ」を削ったり針で突いたりしないように注意喚起しておられました。それだけで転移することもあるそうです。また一時的に「ほくろ」の色が薄くなって、白く脱けてくるから放置するということもよくないそうです。やはり心配となれば、皮膚科専門医を受診するべきでしょうね。
アトピー性皮膚炎に関して山中恵一先生は痒みの症状に注目され、アトピー性皮膚炎の方が「いつ皮膚をかくか」を24時間モニター装着にて計測したデータを紹介されました。これを掻爬行動計測と言うそうです。大変緻密な調査により薬剤の有用性などを検討しておられ、感心致しました。
乾癬は私もあまり知識がなかったのですが、赤く盛り上がった発疹にカサカサした鱗屑ができてははがれていく慢性の皮膚疾患です。乾癬の原因はまだ完全には分かっていないそうですが、免疫反応の異常により表皮の新陳代謝が異常に活発になり角質が増殖して症状が発生するそうです。乾癬の症状は皮膚表面が赤く盛り上がる紅斑、角質が乾燥して深けフケのように剥がれ落ちる白色の鱗屑、角質が異常に増殖して盛り上がり皮膚は硬く乾燥してカサカサの状態になること、痒み、掻くことで刺激し患部がさらに拡がるケブネル現象、患部を掻くと出血するアウスピッツ現象などが特徴的だそうです。関節症性乾癬といって関節症状を生じることもあるそうです。乾癬治療では皮膚症状を改善するだけではなく、QOL(生活の質)を高めることが大切だそうです。最近では関節リウマチでも使用される生物学的製剤が乾癬治療にも用いられるそうです。山中恵一先生が紹介された写真では、乾癬患者さまの皮膚状態が生物学的製剤投与により劇的に改善されていました。現在、乾癬治療に対する生物学的製剤使用の可能な施設は限定されているそうです。近年では関節リウマチと同様に乾癬の治療もどんどん進歩してきているようですね。
距腿関節(いわゆる足関節)は、上図の太い骨の脛骨と脛骨の外側にある細い骨の腓骨と距骨から構成される関節のことをいいます。
距腿関節の特徴として、脛骨と腓骨により構成されるほぞ穴(mortice)とほぞとなる距骨滑車(tenon)がはまり込む形となり、構造上安定した関節となります。距腿関節の運動は、足部がすねの方に近づく背屈運動とすねから遠ざかる底屈運動があります。
距腿関節の障害には、捻挫や靱帯損傷、果部骨折(くるぶしの骨折)などがあり、外傷後、熱感や腫脹などの炎症症状が出現し、可動域制限が生じます。
理学療法では、転倒や強い外力が加わり、疼痛や可動域制限が生じた距腿関節に対して、徒手検査やレントゲン画像から靭帯の修復過程や骨折部の転位など考慮しながら治療を行っています。
リハビリテーション科 服部 司
年末年始休診は12月28日(日)から1月4日(日)までとさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力賜りますようによろしくお願い申し上げます。