2014 年 7 月 のアーカイブ

慢性腰痛に関する講演会

2014年07月07日(月) 院長ブログ

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先日、慢性疼痛に関する講演会が開催されました。講演1は「慢性腰痛に関するオピオイドの使用成績」で講師は独立行政法人国立長寿医療研究センター整形外科医長酒井義人先生でした。

国立長寿医療研究センターは愛知県にあり、老化のメカニズムや認知症、骨粗鬆症、口腔歯科疾患などの治療、予防法の開発をし、高齢者の自立支援、QOLの向上のための研究など幅広く取り組んでいるそうです。また血液、尿、体の組織などの生体材料、検査データなどの医療情報を収集して多くの研究者に広く分配し様々な病気の研究に活用する「バイオバンク」というシステムを運用しているそうです。

酒井義人先生は整形外科、脊椎外科医長、骨粗鬆症科医長として診療にあたられており、慢性腰痛に対する治療経験を紹介されました。疼痛は侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛、混合性疼痛などに分類されますが、明確な区分は難しいと思われます。神経障害性疼痛診断ツールとしてPain DETECTなどがありますが、混合性疼痛もあり評価が困難な場合も多いかと思われます。酒井義人先生は豊富なデータから神経障害性疼痛は若年者に多い傾向があることを示されました。また腰部脊柱管狭窄症に合併する腰痛が多いことを指摘され、神経除圧のみで腰痛が改善する症例が多いことを報告されました。腰痛性間欠性跛行の症例に対して多裂筋の筋電図、筋音図を用いて評価しておられます。腰痛性間欠性跛行と動作性腰痛においては腰痛と下肢痛のLaterality一致率が、腰痛性間欠性跛行の方が高いことを指摘されました。

慢性腰痛に対して、初期にはNSAIDs、アセトアミノフェンを使用する場合が多いですが、最近はプレガバリン、トラマドールが有効である場合が多いことが報告されています。酒井義人先生によりますと、慢性腰痛に対して代表的なNSAIDs投与4週間行って無効であった症例に対して、プレガバリン、トラマドールそれぞれ投与したところ共に高率に有効であったそうです。効果発現までの期間はトラマドールの方が少し短かったようです。プレガバリンは神経障害性疼痛に対する薬です。トラマドールは侵害受容性疼痛に対してより有効であり、効果発現も速いという特徴があるようです。下肢症状のある腰痛、歩行時腰痛にはプレガバリンがより有効で、下肢症状のない腰痛、動作時の腰痛にはトラマドールがより有効であるという使い分けを示して下さいました。

高齢者にはアセトアミノフェンが第1選択になりますが、アセトアミノフェンではADLの改善は見込みにくいが、トラマドールではADLの改善効果もあるようです。また高齢者で腎機能低下、肝機能低下を認めていても、プレガバリン、トラマドール共に注意しつつ投与可能であるということでした。酒井義人先生の講演は具体的でわかりやすく、大変ためになりました。

講演2は「慢性疼痛治療に対する疼痛治療薬処方のコツ」で講師は浜松医科大学麻酔科・ペインクリニック科准教授五十嵐寛先生でした。

整形外科外来に来られる患者様の多くは痛みを主訴として受診されますが、痛み治療の一番の専門家はというと、ペインクリニックになります。痛みの治療で経験豊富なペインクリニックの五十嵐寛先生の講演は、とても参考になるものでした。

疼痛に対してよく使用されるアセトアミノフェンは最大投与量が11000mg14000mgまで引き上げられました。アメリカでは疼痛に対してアセトアミノフェンが第一選択になりますが、鎮痛効果はトラマドールの方が優るようです。弱オピオイドであるトラマドールでは依存性は極めて低いということでした。五十嵐寛先生は自身の治療体験も披露して下さり、また多施設で治療不能であった症例などの紹介患者を数多く治療されており、大変勉強になることが多かったです。

スタッフ募集のお知らせ

2014年07月06日(日) 新着情報

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待ち時間のお知らせ (6月30日~7月5日)

2014年07月05日(土) 待ち時間のお知らせ1新着情報

6月30日~7月5日

日本ラグビー世界ランキング10位となる。

2014年07月04日(金) 院長ブログ

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623日にIRB(国際ラグビーボード)の世界ランキングで、10位に浮上したことが発表されました。サモア、イタリアなど強豪国に勝利したことが評価されたようです。

日本代表エディー・ジョーンズヘッドコーチは「世界トップ10入り」を目標に掲げてきましたから、来年のワールドカップに向けて順調に強化が進んでいるように思われます。代表選手たちの努力が伺えますね。

これは歴史的快挙だと思いますが

ああ、もっと話題になって欲しい。

リハビリ通信 No.119 理学療法士の歴史について

2014年07月02日(水) QAリハビリテーション科1新着情報

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日本の理学療法の始まりは、1900年初期で温熱や電気治療などの物理療法が中心となり、その当時の理学療法は、柔道整復師やマッサージ師が担っていました。

その後、数十年の時を経て1965年に理学療法士及び作業療法士法が制定され、理学療法士の歴史が始まりました。その当時は、理学療法士の存在やリハビリの必要性などあまり認知されていませんでしたが、現在、理学療法士の養成校や理学療法士の数が増え、理学療法士の存在やリハビリの認知度が増してきたと感じます。その背景に、ここ十数年で高齢社会となり、高齢者や介護施設の増加により理学療法を必要とする人が増えてきたからだと思います。

しかし、実際に理学療法士がどのようなことをしているのかは、認知されておらず「理学療法=マッサージ」と思っている方が多いように感じます。

では、理学療法士ってどんなことをしているのかというと、脳梗塞による麻痺や事故による骨折で身体機能が障害された人に対して、医師の指示の下、基本的動作能力の回復を目的に理学療法を行っています。

整形外科では変形や痛みにより可動域制限や筋力低下が生じた関節に対して、筋肉や靭帯などの軟部組織に対してストレッチや筋収縮を促し、身体機能の改善を図っています。

まだまだ、理学療法士の歴史は、浅いですがたくさんの人に理学療法士の存在や仕事の内容を知って頂きたいので、理学療法士に興味がある学生や疾患について聞きたい方などご不明の点がございましたら、お尋ね下さい。

リハビリテーション科 服部 司