半月板の血行について、以前は血行がなく、一度断裂すると自然治癒しないと言われていました。しかし、研究により、半月板実質部外縁1/3から中1/3にかけて血管が存在し、関節包由来の血管より栄養を受けています。内側の1/3には、血管が存在しておらず滑液より栄養を受けていることがわかってきました。この研究が現在の半月板部分切除術か縫合術かを選択する基礎となってきています。
半月板実質部外縁1/3には血行が豊富でこの部分をred-red zoneと呼び、中1/3をred-white zone、内側1/3をwhite-white zoneと呼ひます。一般的に血行のある部分は、半月板縫合術の適応で、血行の乏しい部分は、半月板部分切除術を施行されていました。
しかし、近年の研究より半月板を温存することによるメリットを最大限に活かせるようにいろいろと検討されるようになり、半月板縫合術の適応を血行の豊富な部分から乏しい部分へと拡大しつつあります。
リハビリテーション科 服部 司
腰が痛いと訴えられる患者さんは多くいます。症状としては「腰が痛い!!」とみなさん共通していますが,原因は10人いれば10通りであることが多いようです。
例えば腰部・股関節の筋力低下,股関節周囲筋をも含めた拘縮・協調性低下,仙腸関節・腰椎椎間関節の拘縮・炎症,逆に若い女性に見られる靱帯の緩み,膝・足関節など下肢の問題が波及し二次的に疼痛を発症など,症状は一緒でも原因は数多くあります。患者さんによっては1つだけの要因の方もいれば2つ3つと重なっている方もいます。
理学療法では治療・評価をして何が本当の原因なのか?具体的に原因を絞り治療を実施します。
リハビリテーション室長 見田忠幸