筋は伸びたり、縮んだり(収縮・弛緩)する事により筋として作用します。筋は付着している場所により、起始・停止があり、収縮方向は停止から起始へ一方向に向かいます。
基本的に筋は関節を跨ぐ様に走行していますが(単関節筋)、大きな力が必要とする部位では二つの関節を跨いで作用する二関節筋として走行しています。(大腿四頭筋・ハムストリングス・上腕二頭筋・上腕三頭筋)
関節が動き、筋が大きく滑走しながら収縮する等張性収縮、関節が固定し筋の長さに変化がない状態で収縮する等尺性収縮があります。
手術・ギプス固定など関節を動かしてはいけない場合、等尺性収縮を実施することにより、拘縮を予防し、また可動域の改善・筋力向上には等張性収縮、等尺性収縮、ストレッチングなど、軟部組織の状態により適切に選択し、実施します。
理学療法では各々の収縮の特徴を理解し治療に利用します。
リハビリテーション室長 見田忠幸
股関節を屈曲(曲がる)する際、周囲の筋肉が協調的に働くことにより、股関節が屈曲してきますが、その中でも腸腰筋が最も重要な筋肉だと言われています。
腸腰筋とは、腸骨窩から起始する腸骨筋と腰椎から起始する大腰筋を合わせた筋肉のことを言い、ともに大腿骨にある小転子に停止します。
作用として、股関節屈曲の他に、骨盤の前傾や腰椎の前弯する作用をもちます。また、股関節を過伸展した際に、骨頭の前方不安定性に対して、周囲の靭帯とともに制動し、支持する作用もあります。
股関節屈曲拘縮の主要因となる腸腰筋は、股関節痛や、しばし腰痛や跛行を引き起こす原因となります。
このような症状に対して、私たち理学療法士は、腸腰筋が拘縮していないか評価を行い、ストレッチや筋収縮を行い、改善を図っています。
リハビリテーション科 服部 司
来たる10月31日(木)は院長学会出張のために、休診になります。
ご迷惑をお掛け致しますが、ご了承の程をよろしくお願い申し上げます。
院長
昨日、ヒルホテルサンピア伊賀にて市民公開講座が開催されました。
今年のテーマは「ロコモティブシンドロームと関節の変形」です。
悪天候にもかかわらず大変大勢の方が来場され、熱気あふれる雰囲気でした。
演題1は「栄養とロコモティブシンドローム」で講師は名張市立病院管理栄養士松本優子先生でした。カルシウム、タンパク質など色々な栄養をバランスよく摂ることが必要とは言われますが、具体的にどの様なすればよいのかわかりにくいですね。実際のレシピの工夫を紹介して頂き、ちょっとした工夫で栄養素のバランスが大変良くなることがわかり、とても参考になりました。中年期にメタボ対策でカロリーを控えることが強調されるので、高齢期になっても必要以上にカロリーを控えてしまうことがロコモの危険性を高めるということは成る程と思いました。年代によって必要とされる栄養も変わってくるということですね。
演題2は「変形性膝関節症」で講師はおおすみ整形外科院長大角秀彦先生でした。変形性膝関節症の病態と治療、日常生活での工夫など大変わかりやすく解説して戴き、聴衆の皆様もとても理解しやすかったのではないでしょうか。また大角院長の立派な獲物の数々も披露して頂きました。おおすみ整形に行けば、巨大な魚拓もご覧頂けるということでした。
演題3は「膝への負担を減らす運動療法」で講師はいまむら整形外科理学療法士森統子先生でした。膝を支える一番大事な筋肉は太ももの前の大腿四頭筋という膝を伸ばす筋肉ですが、この大腿四頭筋の中でも内側広筋、大腿直筋、外側広筋のそれぞれを別々に鍛える運動療法を紹介して頂きました。これはわかりやすいですね!皆さん、とても参考になったことと思います。
ご来場戴きまして、誠にありがとうございました。