2013 年 7 月 のアーカイブ

待ち時間のお知らせ (7月16日~7月20日)

2013年07月20日(土) 新着情報

リハビリ通信 No.78 姿勢と運動器のトラブルについて

2013年07月18日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

運動器の痛みの原因の一つに姿勢の影響があります。

 日常生活で行っているあらゆる動作は姿勢の連続的な変化であり、姿勢と運動は常に機能的に連結しながら制御されています。そのため、姿勢を評価することは、姿勢を保持している間にどの筋や関節に機械的なストレスが加わっているか、あるいはどのような代償を行っているかを考察するための貴重な情報源となります。

  一般的に“良い姿勢”とは、後ろから見たときに骨盤・肩甲骨が同じ高さで左右対称であり、各脊椎および頭部の正中線が一直線上にあります。また、側方から見たときに耳たぶ・肩の先端・大転子・膝蓋骨の後面・外くるぶしが一直線上にあり、頚椎は前弯・胸椎は後弯・腰椎は前弯となり脊柱がキレイなS字カーブになっています。

  このような“良い姿勢”が崩れると、筋や関節に過剰な負荷が加わり、運動器のトラブルの引き金となることがあります。ただし、“良い姿勢”からアライメントがずれているからといって、必ずトラブルに繋がるということはありません。本来、良い姿勢には個人差があり、各個人が持っている関節の機能、日常生活で行う動作の特性などによってある程度の幅を持っています。ここで言う関節の機能は、関節の柔軟性、筋の伸張性、筋力、筋肉量、脂肪量などにも左右されます。そのため、“良い姿勢”に無理に近づけるというよりも、各個人の持つ関節の機能や動作の特性から、“その人なりの良い姿勢”を導き出していくことが重要であると考えます。

  運動器の理学療法においては、単に傷害や外傷の治療にとどまるだけでなく、これらのトラブルの発生、進行、再発を予防していくことが課題であると考えます。そのためには、各個人が日常生活で行っている動作の特性や生体に生じる反応、機能解剖学的な背景を考慮したうえで、必要な関節の柔軟性や筋力の向上とともに、得られた評価から適切な姿勢や動作の提案・指導ができることを大切にしています。

 リハビリテーション科 奥山智啓

第26回日本臨床整形外科学会学術集会

2013年07月15日(月) 院長ブログ

昨日、今日と静岡で第26回日本臨床整形外科学会学術集会が開催され出席しました。

本学会への参加は、私は初めてでした。

本学会は整形外科開業医が主体ではありますが、整形外科勤務医、そして理学療法士などのコメディカルも多数参加する、大変活気のある学会でした。会場も第9会場までありとても規模の大きな学会で、どの演題を聴こうかと迷ってしまうほどでした。

大変勉強になり、その内容はまた報告したいと思っております。

奈良教育大学トライアスロン医学セミナー

2013年07月13日(土) 院長ブログ

先日、奈良教育大学において奈良教育大学トライアスロン医学セミナーが開催され出席しました。講師は奈良教育大学保健体育講座学校保健・スポーツ医学研究室教授笠次良爾先生でした。笠次良爾先生は奈良医大整形外科出身で、私と同門(奈良医大整形外科医局出身)になります。笠次良爾先生は自ら学生時代にトライアスロンにのめり込んで、現在スポーツ現場と学校現場をフィールドとして「傷害予防」に取り組んでおられる情熱あふれた先生です。今回、「熱中症ならびにSWIMの安全対策について」という講演を聴きました。ほとんどがトライアスロンに取り組んでいる現役の大学生に混って、聴講してきました。

今年の夏は非常に暑いみたいなので、熱中症についても盛んに報道されています。

スポーツ現場においても熱中症は非常に重篤な事故につながるのでしっかりとした対策が求められます。熱中症とは暑い環境(体内・体外両方)によって生じる様々な身体の不調の総称で、体内の暑い環境とは筋肉からの大量の熱発生や脱水で生じるそうです。

トライアスロンは水泳・自転車ロードレース・長距離走の3種目を連続して行う過酷なスポーツで、私自身経験はありませんが、綿密な準備と強靱な身体、精神、そして十分な体力が必須であろうと思われます。競技中熱中症を避けるためのポイントとして、まず体温を下げる努力をする。それには①定期的な水分補給、②身体に水をかけ直接冷やす③帽子にて頭部への輻射熱を遮ることが有効です。レース中に補給すべきものはまずは水分で体重減少が2~3%以内に収まるようにする必要があります。スタンダードディスタンス(51.5km)以上であれば、塩分補給が欠かせません。2時間以上の運動や急激に大量の発汗をした時には塩分補給が必要です。一般的なスポーツドリンクは塩分量が少ないので注意を要するようです。またレース前、レース前日からの給水が大切だそうです。暑熱馴化といって、暑さに慣れるのには1,2週間必要なので、急に気温が上がったときなどは要注意です。

水分摂取がしきりに強調されますが、2002年のボストンマラソンに出場した488選手中水分の過剰摂取で13%が低ナトリウム血症となり、一人の選手が死亡したということです。水分の過剰摂取は逆に危険なようです。

一般の方では、特に激しいスポーツをしていないのにスポーツドリンクを飲み過ぎて高血糖になるペットボトル症候群や、スポーツや肉体労働をしていてもスポーツドリンクを大量に摂取して血糖値が上昇し口渇が増強するためにさらにスポーツドリンクを飲み過ぎてしまうという悪循環に陥ることもあり、これも要注意ですね。

トライアスロンにおいてはオープンウオーターにおける水泳と長距離走でのゴール地点付近で死亡事故が起こることが多いそうです。何故、泳ぎに長けた選手が溺れることがあるのか私も理解していなかったのですが、泳げる人が溺水する原因は①冷水刺激による迷走神経反射説、②錐体内出血による平衡失調説、③気管内吸水による意識消失説、④ノーパニック症候群説、⑤不整脈説、⑥心疾患、脳血管疾患など基礎疾患の存在、⑦上記の因子の複合、等が考えられるそうです。運動中の突然死を予防するには、メディカルチェック、運動前健康チェック、環境条件チェック、十分なウオーニングアップ、クールダウン、初心者はいきなりオープンウオーターの大会に出場しない、などが大事です。

競技中の不幸な事故をなんとしてでもなくしたいという笠次良爾先生の強い思いが伝わってきました。笠次良爾先生の迫力は若い学生たちをも圧倒していて、相変わらずの大きな声量は講義室ではマイクも不必要な程です。笠次良爾先生の思いは学生たちに十分響いていたように見受けられました。

待ち時間のお知らせ (7月8日~7月13日)

2013年07月13日(土) 待ち時間のお知らせ1新着情報