先週、名張市介護老人保健施設「ゆりの里」で褥瘡研修会があり出席しました。
講師は名張市立病院内科、地域医療教育研修センター御前秀和先生でした。「褥瘡」とはいわゆる「床ずれ」で、寝たきりの方や体の動きが制限されておられる方に起こる皮膚の損傷です。仙骨部、腸骨部、大転子部、踵部など骨が突出しており、寝ている状態で皮膚が圧迫される部位によく起こります。
クリニックでは褥瘡を治療することはほとんどありませんが、入院施設のある病院では褥瘡の予防と治療が大きなテーマの一つで、看護スタッフも褥瘡を生じないように最大限の工夫と努力をします。しかしながら生じてしまった褥瘡、入院時に既にある褥瘡の治療に難渋することも多いことも事実でしょう。今回、御前秀和先生は「褥瘡治療のポイント~基礎から最新の治療まで~」という演題を講演して下さいました。湿潤療法、閉鎖療法を基本として色々な創傷被覆材の使い分けやその工夫を紹介していただきました。御前秀和先生は褥瘡治療、予防の基本として、よく創を観察すること(創が良くなっているのか、悪くなっているのかを見極めること)の重要性と治療の3本柱として、除圧保清、栄養、局所治療を挙げておられました。
超高齢者社会を迎えて褥瘡に対処する必要性のあるケースは病院のみならず施設や自宅介護の場でも増えてくることが確実です。今回の研修会では名張市立病院職員の方々だけではなく近隣施設の方々も多く参加しておられ、名張市立病院のこういった取り組みは大変意義深いものと思われました。