2013 年 1 月 のアーカイブ

2013年01月31日(木) トップインフォメーション

家族に接するような気遣い、心遣いを心がけます。

秋山整形外科クリニック スタッフ

「骨粗鬆症治療におけるテリパラチドの効果と役割」

2013年01月31日(木) 院長ブログ

先週おこなわれた講演会の講演2は慶応義塾大学医学部スポーツ医学総合センター講師岩本潤先生の「骨粗鬆症治療におけるテリパラチドの効果と役割」でした。

日本人が生涯で骨粗鬆症性骨折の起こる可能性は男性で12~22%、女性で40~50%だそうです。随分高い確率ですね。また一度骨粗鬆症性骨折を起こすと、二度、三度と繰り返すことが多く、生命予後まで悪化することが知られています。

しかしながら骨粗鬆症は内服薬治療の継続が困難な疾患として知られています。内服薬治療が長期にわたることや症状が一旦軽減してしまうことなどが原因でしょうね。毎日の内服を確実なものにすること(Complianceの向上)と内服薬治療を必要な期間継続すること(Persistence)の両方を向上させることが治療の質を上げるには必要で、Compliance の要素とPersistenceの要素を合わせて治療アドヒアランス(Therapeutic adherence)と言います。治療アドヒアランス(Therapeutic adherence)の向上には色々と工夫が必要ですね。

PTH製剤(テリパラチド)は従来のビスフォスフォネート製剤に比べても骨密度増加効果は高いようですね。ただかなり高額であることなどから骨折リスクの高い重症例が良い適応のようです。また副作用の多さや投与方法が皮下注射であることなどハードルは少し高いですね。連日投与製剤または週1回投与製剤がありますが、連日投与製剤は患者様の自己注射となります。

岩本潤先生の講演は大変クリアーカットでわかりやすかったです。岩本潤先生はスポーツ選手だけではなく、様々な年代層の疾患に意欲的に取り組まれておられます。また色々な点で苦労した症例や患者様とのやりとりなども紹介していただき、大変参考になりました。

「納得のいくスポーツ損傷診断とは?」

2013年01月28日(月) 院長ブログ

先週名古屋で講演会があり、2つの講演を聴きました。

講演1は名古屋スポーツクリニック院長杉本勝正先生の「納得のいくスポーツ損傷診断とは?」でした。

杉本勝正先生は中日ドラゴンズの選手を始め、多くのスポーツ選手の治療を手がけておられる肩関節、スポーツ外傷のスペシャリストです。また杉本勝正先生は診療にエコー(超音波装置)を活用しておられ、今回の講演では主にエコーに関して詳細に紹介して頂きました。杉本勝正先生はエコーの利点として、無侵襲であること、動態を描出できること(動かしながら見られること)などを挙げておられます。また骨以外の軟部組織(筋肉、腱、靭帯、神経、血管など)の描出に優れているのも利点で、MRI検査より簡便なことも魅力です。

整形外科では一般にまずレントゲン検査から行いますが、足りない情報を補ってくれるという点でエコーは非常に有用ですね。もともと整形外科にはエコーは馴染みの少ない検査でしたが、これから更に活用していきたいと思います。

また杉本勝正先生は数々の興味あるエピソードを紹介して下さいました。

約30年前?に幼少期のイチロー選手とイチロー選手を指導するチチローに地方のバッティングセンターで出会った、一瞬の接点なども紹介して頂きました。

またトヨタ自動車の豊田章男氏と小学生時代同級生であり一緒に写っている写真や、そのツテで名古屋において開催される国際学会にトヨタ自動車を2台展示して頂くようにしてもらったいきさつ、トヨタ自動車本社へ豊田章男氏に面会に行く当日にマイカーがN自動車であることに気づいて慌ててT自動車を借りていった裏話なども聞かせて頂きました。

大変勉強になり、また楽しい講演会でした。

「四つ話のクローバー」

2013年01月27日(日) 新着情報

「夢をかなえるゾウ」の著者、水野敬也氏の「四つ話のクローバー」を読みました。

見つけた人には幸福が訪れるという「四つ葉のクローバー」に引っかけた「四つ話」には幸福を呼び込むための具体的なヒントが詰まっているかもしれません。

私はちょっと切ない「氷の親子」が最も気に入りました。

皆様、是非ご覧下さい。

リハビリ通信 No.56 関節が硬くなる要因 -靭帯-

2013年01月24日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

靭帯は強靭な結合組織の集まりで構成され、骨と骨を繋ぎ関節を形づくります。靭帯には若干の弾性がありますが、筋肉のような伸縮性はなく、長さや形態の変化が少ないヒモのような組織です。しかし、靭帯においても周囲の組織と癒着したり、組織の拡がりが低下したりした場合には、関節の可動域を制限します。

靱帯の役割は、関節において骨と骨が離れてしまわないように位置関係を保持し、関節の運動軌跡がスムースになるように誘導をすることです。また、靭帯は関節の運動が異常な方向へと逸脱しないように動きを制動する役割も果たしています。そのため、関節に正常とは逸脱した無理な力が加わると、靱帯は引っ張られ、許容範囲を越えると部分断裂や重度の場合は完全断裂をしてしまいます。

外傷による靭帯損傷などで関節を長期間固定した場合や、長期の不動状態が続いた場合には、靭帯が癒着などを引き起こし、関節の可動域を制限する可能性が生じます。

靭帯の問題によって関節の動きが低下した際には、関節の可動域訓練を行うことが重要となります。ただし、靭帯損傷後においては、損傷靭帯の修復が十分でない時期に負荷を加え過ぎたり、正常とは逸脱した関節運動を行ったりすると、靭帯が緩くなり関節が不安定になる可能性があります。そのため、理学療法では靭帯への負荷を加える時期と負荷量、関節の運動方向に注意をしながら、関節の安定性と可動性の双方の獲得を目指していきます。

リハビリテーション科  奥山智啓