肩こりは頚部筋群・僧帽筋上部線維の過緊張で筋が正常に収縮できない状態であると言えます。例えば日常生活の中で偏った筋の使い方により頚部筋群・肩関節周囲筋の協調性の低下・バランスの悪さを誘発し過緊張へと至ったと考えることができます。
肩こり(過緊張)・疼痛を低下させるには大きく2つに分けることができます。
①頚部筋群・僧帽筋上部線維をリラックスさせ緊張をとる。
②頚部筋群・肩甲骨周囲筋の協調性を高める。(筋の使い方のバランスを整える)です。
したがって、肩をもんだり、叩いたりするよりも根本的に改善をすれば肩こり(過緊張)・疼痛が随分、楽になると考えられます。
リハビリテーション室長 見田忠幸
みんなの家庭の医学、4月10日放送で、「肩こり」の新事実、しつこい肩こりの原因は首の傾きにあった!を観ました。
肩こりの解消法には、首や肩甲骨周囲の筋肉の体操、ストレッチ、温熱療法などによる血行改善、外用薬、内服などの薬物療法などがあります。首や肩甲骨周囲の筋肉の緊張過多が「肩こり」の直接の原因です。
筋肉の緊張が増加してしまう原因には色々ありますが、番組によりますと首の傾きがしつこい肩こりの原因になっているようです。首が傾いている場合には首を支えている「頭板状筋」が片方だけ腫れていることが多いということで、これは生活習慣の中で首を傾けるクセがその原因になっているそうです。長年このような姿勢を続けていると脳が誤作動を起こし、筋肉のバランスが悪化し痛みが続くようになるそうです。番組では、この様な首の傾きを直して肩こりを解消できる「朝晩2回の鏡体操」を勧めていました。これは鏡を見ながら首を左右に傾ける体操と、左右に回転(回旋)させる体操を行い、首の傾きを矯正するというものです。
やはり姿勢を正すことが、心身ともに良い影響があるようですね。
「肩こり」、「首の傾き」、「肩の傾き」、実はこの3つとも私も持っているのです。早速、鏡体操を始めます!
ゴールデンウィーク中の診療に関しては暦通り(カレンダー通り)とさせて頂きます。 4月28日(土) 午前診のみ 4月29日(日)、4月30日(月) 休診 5月1日(火) 午前診、午後診 5月2日(水) 午前診、午後診 5月3日(木)~5月6日(日)休診 ご迷惑をおかけ致しますが、よろしくお願い致します。 |
膝関節の内側を支持する軟部組織の柔軟性低下もまた膝痛を引き起こす原因の一つとなります。
腱や靭帯が骨に停止するところでは、筋肉のはたらきによる機械的な負荷が集中しやすく、組織の小さな損傷を生じて炎症を起こしやすくなります。膝の内側では、代表的なものに鵞足炎(がそくえん)があります。鵞足とは脛骨の近位内側部(膝関節の裂隙よりも少し下)にある縫工筋や薄筋、半腱様筋などの腱が付着している部位であり、付着している腱が鵞鳥(がちょう)の足のような形をしていることからこのように呼ばれています。この鵞足部に過剰な負荷や摩擦が加わって炎症を生じているものを鵞足炎といい、膝関節内側の隙間よりも少し下の部位での疼痛が特徴です。
鵞足炎の原因として、機能面においては鵞足を構成する筋の柔軟性低下が大きく影響しており、その他に筋力低下、筋力のアンバランス、骨の成長と筋の伸びとのアンバランス、大腿の過内旋や下腿の過外旋などのアライメント不良などが挙げられます。また、動作面や環境面の問題としては、長距離を走る・ジャンプする・ボールを蹴るなどの動作において膝が内側を向き足先が外側を向く運動を繰り返すこと、膝の使い過ぎ(オーバーユース)、不適切な靴、硬過ぎたり軟らか過ぎる練習場などが炎症の引き金となります。
治療としては、まず安静や薬・注射などにより急性炎症を落ち着かせた後、原因筋のリラクセーションやストレッチングにより腱付着部への負担を減らしていくことが重要となります。場合によっては、インソール(靴の中敷)が有効となることもあります。
リハビリテーション科 奥山智啓