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リハビリ通信 No.327 膝関節の機能と解剖について

2021年05月04日(火) QAリハビリテーション科1新着情報

膝関節(脂肪組織、滑液包の図)

参考文献:「膝エコーのすべて」中瀬順介著、日本医事新報社、2020

 

膝関節は荷重関節であると同時に移動動作、歩行など支持性と可動性、両方の機能が必要である。膝関節における支持性つまり安定化は骨と軟部組織によるものとがある。

骨による膝関節の安定化は膝関節完全伸展位(立位)で起き、軟部組織による安定化は筋、靱帯、関節包などが収縮・滑走を行い安定化に寄与する。軟部組織について更に具体的に述べると膝関節は動的安定化機構である筋と静的安定化機構である靱帯(ACL:前十字靭帯、PCL:後十字靭帯、MCL:内側側副靭帯、LCL:外側側副靭帯)が協調して働き、安定化を構成している。とくに膝関節に大きく関係している大腿四頭筋は筋出力も強く腱付着部にかかるストレス、負担は大きいと考えられる。皮下組織、腱付着部、筋間での摩擦、損傷を防ぐため膝関節には滑液包、脂肪組織(fat pad)が負担のかかる組織間では多く見られる。

リハビリテーション室長 見田忠幸