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リハビリ通信 No.326 腱板断裂、腱板損傷時の理学療法について

2021年03月28日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

肩関節は棘上筋・棘下筋・肩甲下筋などcuff筋とouter muscleの三角筋、肩甲骨を固定する時に働く僧帽筋中部線維・下部線維、菱形筋、前鋸筋などの肩甲骨固定筋との協調した働きで挙上が可能となります。腱板断裂、腱板損傷が起きた時、棘上筋・棘下筋などcuff筋が上肢挙上時に上腕骨頭を関節窩に引き寄せcuff筋の働きを中心とする支点形成が、できにくい状態になります。つまり上肢が挙上する時に必要なouter muscle、肩甲骨固定筋、cuff筋の協調した働きが起こりにくい状態になり、上肢挙上が不可能になります。

肩関節の解剖学的機能としてcuff筋の支点形成が行いやすい様に肩峰〜烏口肩峰靭帯が「てこ」となり上腕骨頭が関節窩に引き込まれ、支点形成が行いやすい構造になっています。

中高年者は若年者に比べると腱板の表層が肩峰〜烏口肩峰靭帯に接触する数が必然的に多くなり、腱板表層部分が加齢による変性により損傷、断裂する可能性が高いのです。理学療法では損傷、断裂した腱板を代償する様に、その他のcuff筋、肩甲骨固定筋の筋力向上exを行います。

リハビリテーション室長 見田忠幸