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リハビリ通信 No.318 手掌の握り動作について

2020年06月01日(月) QAリハビリテーション科1新着情報

(コトバンクより)図を一部改変

 

握るという動作を行う時、様々な場面が考えられます。水の入ったバケツ、やかん、掃除機など、握る力を入れつつ持ち上げる動作を同時に行います。公共交通機関の乗車時に手すりを握る、鉄棒などを握りながら自分の身体を引き寄せ固定するなど、その時の状況により、強く握ろうとする時、人は無意識に手関節を背屈位にして前腕屈筋群を効率よく働かせるような肢位をとります。また、更に強く握る時、手内在筋をより良く働かせるために、手掌正面から見て示指、中指MP関節を中心に環指、小指MP関節が下にまわる様に下がって手掌内横アーチを形成します。

握る動作時に強く筋出力を発揮させるには手関節が背屈位になり手掌内MP関節の横アーチを保持し効率よく各々の筋が、働きやすい様に環境を整えています。骨折、手術等で拘縮になり、可動域制限を呈して、握る動作ができない患者さんの理学療法を行う場合、手関節、手指は無論、手掌内アーチも意識して治療を進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸