新着情報

骨粗鬆症とともに Vol.39 骨折した家族を介護する方の現状

2020年03月23日(月) 新着情報1骨粗鬆症

高齢化が進む昨今骨粗鬆症による脆弱性骨折は増加を続けています。介護が必要となる原因の22.3%が骨折、転倒または関節疾患であるといわれており、健康寿命を延ばし介護状態を回避することが大きな課題と言えそうですが、実際に介護が必要になった方の家族の現状はどのような実態なのでしょうか。

介護が必要となった原因疾患は1位椎体(背骨)骨折26.6%、2位大腿骨近位部(足の付け根)骨折19.2%でした。介護を原因に転職、離職した人25%、離職したが再就職できた人は20.3%だそうです。介護を担う世代では、1位40~50歳代53.2%、2位60歳代と、働き盛りの世代が大多数を占めるようです。この中で5年以上介護した割合は24%だそうです。実際にどのような介護内容に負担を感じているかでは、外出の付き添いやサポート、トイレの移動、お風呂の介助などがあげられ、介護者の身体的な負担も大きい内容になっています。しかし実際に家族の介護を経験している方によると、身体的負担よりも精神的負担を感じている場合が多いようで、それは離職をして介護している方ほど強く感じているというデータがあるようです。

私達は日々脆弱性骨折などを起こした介護が必要な患者様と接していますが、その患者様を介護する家族の方々にも十分に目を向け、負担を軽減していくことが重要だと感じています。社会資源の調整、メンタルケアや傾聴で負担軽減に努めていきたいと思います。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

Osteoporosis japan PLUS 第4巻 第2号 ライフサイエンス出版株式会社 2019