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骨粗鬆症とともに Vol.19 椎体骨折が起こりやすい部位

2018年07月09日(月) 新着情報1骨粗鬆症

2018.6

骨粗鬆症が原因で発症する骨折は脆弱性骨折と呼ばれ、軽微な外力(一般的には立った高さからの転倒)で発生した骨折を指します。脆弱性骨折の中で最も頻度が高い骨折は椎体(背骨)の骨折で、その半分ほどは知らない間に骨がつぶれ、症状が出ないままに骨折している、いわゆる”いつのまにか骨折”とも言われています。

椎体の圧迫骨折は第11胸椎から第2腰椎あたりとされる、胸腰椎移行部が好発部位で一番多くみられます。次に多いのは第7胸椎を中心とした中位胸椎です。これは脊椎の生理的彎曲、ねじりなどの力学的負担が多い部位であるなどの理由が考えられるそうです。

骨粗鬆症の症状は少なく、骨折を起こしてはじめて症状が出現することがほとんどです。一度骨折を起こすと次々に骨折を起こす連鎖が問題とされています。椎体骨折を1か所起こすと3.2倍、2か所起こすと9.8倍、3か所起こすと23.3倍と骨折再発のリスクがどんどん上がると言われています。さらに椎体骨折の10~20%は1年後も骨癒合していない偽関節の状態と言われており、骨折の症状が遷延することがあります。身長が縮む、背骨が曲がるなどの身体的変化から、逆流性食道炎、呼吸機能の低下など二次的な障害が起こる可能性もあり、治療による予防が重要と言えます。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版、ライフサイエンス出版、2015