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リハビリ通信 No.251 前十字靱帯(ACL)損傷について

2018年02月20日

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前十字靱帯(Anterior Cruciate Ligament:ACL)とは膝関節内にある靱帯であり、この靱帯の損傷は発生頻度が高く、スポーツ障害の中でも代表的なものの一つです。

靱帯が損傷されると、急性期では疼痛・腫脹・関節不安定性などが生じ、時間が経つと痛みは減少してきますが、膝関節での不安定となります。また、この前十字靱帯が損傷すると自然に治癒するというものではなく、手術による治療(靱帯再建術)が適応となります。手術の方法は何種類かありますが、腱(半腱様筋腱や薄筋、膝蓋腱など)を再建材料として用い、治療します。

手術後はもちろん運動療法を実施しますが、不安定性が出ないように、筋萎縮が生じないように、そして再建靱帯が再断裂しないように進めていくことが目標であり、組織の修復期間を考慮しながらトレーニング方法や運動負荷の設定を確認しながら治療を進めていきます。その中で、時間が経過すれば再建部も成熟してくるために安定性が増大するのではないかとイメージできるのですが、「術後、徐々に再建部の強度は上昇してきますが、術後10ヶ月経過した時点での再断裂するケースが多く、再建靱帯挿入部にて強度が一次的に落ちてしまう。」ということがわかってきました。そのため、日常生活動作やスポーツにおいて「術後10ヶ月」という時期は注意するようにと指導することが非常に重要となってきます。

我々理学療法士は、運動療法を実施するだけでなく、安全に治療を進めていくために注意すべき事をしっかり説明しながら治療にあたっています。

リハビリテーション科 小野正博