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骨粗鬆症とともに Vol.3 骨粗鬆症とアルコール

2017年02月26日(日) 新着情報1骨粗鬆症

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骨代謝に影響を与える嗜好品のひとつにお酒があります。私もお酒を呑むことが大好きで、美味しい食事をいただく時にはついつい呑みすぎてしまうことがあります。

少量の飲酒の骨粗鬆症への影響は不明のようですが、大量の飲酒では骨粗鬆症は増加すると言われています。大量飲酒とは1日のアルコール摂取量が2単位以上、ビール大瓶(633ml)で2本以上、日本酒で2合以上、ワインで2/3本(480ml)以上などです。

具体的にアルコールは骨の新陳代謝にどのような影響を及ぼすのでしょうか。アルコールの過剰摂取は胃や腸の粘膜を荒らします。カルシウムは腸管から吸収されるため、吸収が抑制されてしまいます。またアルコールには利尿作用があるため、尿へのカルシウム排泄が高まってしまいます。カルシウムの吸収をよくするビタミンDは体内に取り込まれた後、肝臓に蓄積、代謝されて活性型ビタミンDとなりますが、アルコール摂取で肝臓の代謝機能が低下するとビタミンDの代謝は障害されます。大量のアルコール摂取は骨粗鬆症性骨折のリスクを1.38倍、大腿骨近位部骨折のリスクを1.68倍に高め、このリスクはアルコール摂取量に依存して上昇すると言われています。

しかし適量のアルコール摂取は食欲を増進させるとも言われており、美味しい食事をバランスよく楽しくいただく効果があるとも言われています。食前酒がいわゆるそうであり、胃を刺激して食欲を増進させる効果があると言われているそうです。しかしあくまでも適量、大量に摂りすぎてしまうことは、骨粗鬆症だけではなくその他の身体への影響もあるため注意が必要です。厚生省によるとビール中瓶1本以内、日本酒1合以内、ワイン1/4本以内程度が適量とされています。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版、骨粗鬆症治療の予防と治療ガイドライン作成委員会編集、ライフサイエンス社 2015