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リハビリ通信 No.223 高額新薬と公的医療保険の破綻について

2016年12月08日

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オプジーボは免疫の働きを利用する新薬で肺ガン患者の2〜3割に高い治療効果があるとされています。しかし価格も高く、際限なく薬剤費が膨らむ恐れが指摘されています。

2年前の9月の発売時は、年間470人程度の皮膚ガン患者で採算がとれるように価格が決まりました。しかし、昨年12月に肺ガンに使えるようになり、対象患者は1万5000人程度に急増し2016年度の販売予測は1260億円と前年度の6倍に、さらに腎臓ガンの一部への使用が承認され血液のガンなどの承認を申請中と今後、広がる勢いです。

オプジーボ100ミリグラムの値段は英国で約15万円、米国で約30万円、日本は約73万円、体重60キロの患者で年間3500万円かかり、費用に上限を設ける「高額療養費制度」を利用すれば患者の負担は多い人でも月、約30万円に収まります。患者負担を除く費用を賄うのは保険財政であり、高額な新薬が日本の医療を支えてきた国民皆保険体制や国家財政を破綻させる可能性があります。国民医療費約40兆円のうち、薬剤費は10兆円足らずですが、高額薬が次々に出れば薬剤費はすぐに倍になると思われます。患者5万人がオプジーボを1年間、使用すると1兆7500万円かかると国は試算しました。

オプジーボの問題点は2点あり①治療効果がある患者は2〜3割だが投与前にどの患者に効くか分からない②効果が持続する期間の見極めが困難で、やめ時が決めにくいなどである。2つの問題点を通して言えることは無駄が多くなり時間・労力・費用を浪費してしまうということです。

高額新薬は今後も次々に登場する予定で厚生労働省は薬価引き下げの仕組みづくりを検討中ですが、同省の強硬姿勢に製薬業界は反発しており、医師会も保険給付の範囲縮小につながらないようにと述べています。

リハビリテーション室長 見田忠幸