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リハビリ通信 No.203 選定療養費について

2016年06月12日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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選定療養費とは200床以上の大病院が紹介状なしの初診患者に請求する特別料金であり、平均設定額が2365円(2014年)です。厚生労働省の調査によると大病院の約半数にあたる1201病院が選定療養費を設定しています。選定療養費の最低は210円で最高は10800円でした。

なぜこのような選定療養費が設定されるのかと言うと、例えば軽い症状でも診療所や中小病院ではなく大病院を受診する患者さんが多いために、大病院が重症患者の治療に専念できなくなり、患者さんの待ち時間が長引き、勤務医の過重労働につながるなどの問題があるからです。こうした問題を是正し、医療機関の役割分担を促すために選定療養費は導入されました。

しかしながら患者さんの負担増加になっても、紹介状なしで大病院を直接訪れる軽症患者は後を絶える事がありません。そこで厚生労働省は2016年4月から大学病院、500床以上の拠点病院など240病院について紹介状なしの初診患者について最低5000円の負担を請求することを実施しています。実際には軽度な症状で、念の為に高度な医療を受けたい患者さんの意識と現実との間で大きなズレがあり、その部分が問題である様に考えられます。将来的には最低負担額がさらに大きくなると予想されます。

リハビリテーション室長 見田忠幸