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リハビリ通信 No.202 下肢の機能低下と肩痛の関連性について

2016年06月05日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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投球動作とは、下肢からの運動連鎖により、体幹・上肢を使って効率よくエネルギーをボールまで増幅させ伝達する全身運動のことをいいます。投球障害肩の要因には、肩関節の可動域制限や肩甲骨固定筋の筋力低下、下肢・体幹の機能低下などが挙げられます。

下肢の機能低下と投球障害肩との関連性について、小・中学生を対象にメディカルチェックを行った結果、下肢の機能低下が生じても肩痛がある人とない人がいたということで直接的な関係性はなかったと報告されています。しかし、下肢を治療しないというわけではありません。

投球障害肩の発生要因として運動連鎖の破綻や下肢の機能低下により下肢からボールへとエネルギーを伝達する運動連鎖が困難となり「いわゆる手投げ」状態になります。この状態で練習しすぎると肩関節の機能低下が起こり、投球動作で大事なzero positionでの投球が困難となり、肩関節に疼痛が生じてしまいます。

理学療法でのfirst targetとなるのが肩甲帯であり、肩関節の可動域制限や肩甲骨固定筋の改善を図り、その後下肢・体幹へと治療を進めています。

リハビリテーション科 服部 司