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リハビリ通信 No.194 生体肝移植術後に薬剤を使用せず拒絶反応抑制する新治療について

2016年04月03日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

リハビリ通信No.194

通常、生体肝移植後の拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を使用します。しかし、副作用があり大きな問題になっています。例えば免疫が低下しているので感染症にかかりやすい、ガンになりやすい事など、その中でも一番の大きな問題は免疫抑制剤を一生飲み続けなければいけないという事です。

最近、生体肝移植後の患者さんに起きる拒絶反応を防ぐ治療について副作用の多い免疫抑制剤に頼らない新たな開発に北大と順天堂大の研究チームが世界で初めて成功しました。

新たな治療は移植手術前に患者さんと臓器提供者の血液からリンパ球を取り出し特殊な抗体を混ぜて、2週間培養した後、患者さんのリンパ球を一度、体内に戻します。患者さんのリンパ球は提供者の臓器を異物として認識しない「制御性T細胞」と言うリンパ球に変わります。これを術後13日目の患者さんの体内に戻した後、抑制剤を減らし1年半後に投与を中止します。

免疫抑制剤を飲まずに拒絶反応を抑える治療法は患者さんにとって血液のリンパ球を取り出すと言う手法で済み、体にかかる負担が少ない点で画期的です。

現在、臨床試験では合併症も確認されておらず体内で必要な免疫機能も維持されています。今後は他臓器にどこまで応用できるかが課題になります。

リハビリテーション室長 見田忠幸