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リハビリ通信 No.179 日本と欧州各国の認知症の取り組みについて

2015年12月13日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

無題

高齢化が進み、世界の認知症患者は2050年までに3倍増になります。世界各国でその対策に取り組んでいます。日本では2015年1月に認知症で初の国家戦略を決定しました。欧州では患者が住み慣れた地域で長く暮らせる体制作りを目指して多様な試みを進めています。各国の計画はアルツハイマー病の早期発見・研究促進に加え認知症患者を孤立させず、できるだけ長く自宅で生活できる支援体制作りを重視しています。

フランスでは2001年に初の「アルツハイマー5か年計画」を策定し、病院・訪問看護師・介護士のネットワークが全国に250か所設立をされました。専門家が高齢者の自宅で早期テストを行い必要に応じてケア体制を取り組む仕組みが整い、介護を担う家族への支援強化、患者と家族が共に長期滞在できるバカンス施設の増設が進められています。

ドイツでは10人前後の認知症患者がアパートや一軒家で共同生活するシステムが普及しています。オランダでは公団住宅の真ん中に認知症村を作り患者の自由を最大限に尊重し公団の住人、職員が常に支援する体制を作っています。

各々の国は高齢化の進展で福祉予算の抑制を迫られる中、施設に頼らず患者の自活を支える体制作りを模索しています。

リハビリテーション室長 見田忠幸