リハビリ通信 No.318 手掌の握り動作について

2020年06月01日(月) QAリハビリテーション科1新着情報

(コトバンクより)図を一部改変

 

握るという動作を行う時、様々な場面が考えられます。水の入ったバケツ、やかん、掃除機など、握る力を入れつつ持ち上げる動作を同時に行います。公共交通機関の乗車時に手すりを握る、鉄棒などを握りながら自分の身体を引き寄せ固定するなど、その時の状況により、強く握ろうとする時、人は無意識に手関節を背屈位にして前腕屈筋群を効率よく働かせるような肢位をとります。また、更に強く握る時、手内在筋をより良く働かせるために、手掌正面から見て示指、中指MP関節を中心に環指、小指MP関節が下にまわる様に下がって手掌内横アーチを形成します。

握る動作時に強く筋出力を発揮させるには手関節が背屈位になり手掌内MP関節の横アーチを保持し効率よく各々の筋が、働きやすい様に環境を整えています。骨折、手術等で拘縮になり、可動域制限を呈して、握る動作ができない患者さんの理学療法を行う場合、手関節、手指は無論、手掌内アーチも意識して治療を進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸


リハビリ通信 No.317 手関節の動きについて

2020年05月09日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

手関節には背屈、掌屈、橈屈、尺屈の動きがあります。背屈、掌屈は橈骨と近位手根骨からなる橈骨手根関節と手根骨の中間にある手根中央関節の2つの関節の合成された動きで成り立ちます。

理学療法士は拘縮で可動域制限がある場合、治療時に橈骨手根関節と手根中央関節の両方の動きを改善する様にアプローチを進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸


リハビリ通信 No.316 挙上時の上腕骨と肩甲骨の動きについて

2020年03月29日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

上肢が挙上をする時、肩関節では上腕骨大結節部(棘上筋・棘下筋・小円筋が付着する骨隆起)が肩甲骨の肩峰下をくぐり抜け中へ滑り込み、徐々に最大挙上(肩関節屈曲180°)に近づくと上腕骨大結節部が外旋をしながら後方へ出て行きます。

つまり肩関節屈曲位と外転位、二つの動きの挙上範囲が肩関節の関節窩と上腕骨頭の動きで言えば、烏口突起〜肩峰の範囲と言えます。烏口突起に近い挙上経路(anterior path)は屈曲内旋位での挙上、肩峰下での挙上経路(posterolateral path)は外転外旋位挙上と考えます。

肩関節周囲炎により拘縮・癒着があり大結節が肩峰下に滑り込めず、正常な動きが出来ない場合、どの部分が原因で上腕骨頭が動けないのか評価し改善することを理学療法では進めていきます。

リハビリテーション室長 見田忠幸


リハビリ通信 No.315 動作介助と支持基底面について

2020年03月19日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

立ち上がり動作や歩行では、自分の身体をしっかり支持するだけの下肢筋力が必要となりますが、その下肢筋力が低下し、支持が少し困難な方、支持できないために動作が不安定な方がおられます。当院にも各動作が不安定な方が来院され、そのような方が院内を移動する際、スタッフが動作の介助をさせていただくことがあります。そのため、当院ではミーティングの際に「動作介助のコツ」について情報共有し、安全に介助する上で注意すべき点を意識するようにしています。

ヒトが立ち上がる際、両足を地面につき、その両側の足底面で身体を支えますが、その際に「身体重心(図1)がどのような位置に存在するのか」ということが非常に重要となります。この重心が両側の足底とその間のスペース(図2)で構成される面(「支持基底面」といいます)の中におさまっていれば安定して立ち上がることができます。しかし、介助方法が不適切で、身体重心がこの支持基底面から逸脱しているとふらついたり、場合によっては転倒につながってしまうことがあります。そのため、立ち上がり動作を介助する際には、介助される方に前屈みとなっていただき、身体重心を支持基底面内に移動させた状態で立ち上がり動作の介助するようにしています。

このようにして、当院ではスタッフ全員で情報共有し、より安全に来院していただけるように努めています。

リハビリテーション科 小野正博


リハビリ通信 No.314 筋の収縮方法について

2020年02月27日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

理学療法の運動療法を行う時に筋を収縮させ治療を進めますが、筋の収縮方法が大きく2つに分かれます。等張性収縮と等尺性収縮です。等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮があります。重い物を持った時に関節を近づけ筋が縮みながら収縮することを求心性収縮と言い、筋が伸張しブレーキをかけながら収縮することを遠心性収縮と言います。等尺性収縮は関節が一定の位置を維持し、固定された関節の状態で筋が収縮することを言います。

各々に治療を行う目的によって使用方法も変わります。基本的に理学療法士の治療対象は軟部組織です。自ずと出来ることも限られ、関節可動域の改善、筋力の向上、バランスを覚えさせることが主な治療になると考えられます。筋の形状、走行、構造、機能を理解し動かし方、つまり、収縮方法を適切に行うことはとても重要です。

リハビリテーション室長 見田忠幸