本日、第33回奈良県スポーツ医・科学研究会、奈良トレーニングセミナー2020が開催されました。 特別講演Ⅰは「IMA(Integrated Movement Approach)に基づくコンディショニングトレーニング」で講師は株式会社R-body project 鈴木岳先生でした。 特別講演Ⅱは「2018 FIFA ワールドカップ・ロシア大会における疼痛治療戦略で、講師は順天堂大学保健医療学部理学療法学科教授池田浩先生でした。 鈴木岳先生はアスレチックトレーナーで一流アスリートだけでなく、一般の方にも日常のトレーニングの中で怪我の予防や健康な体づくりのためのアドバイスを行ったりトレーニングプランを作ったりと、人の体に関わる様々なサポートを行うという考えでR-body projectを展開しているそうです。コンディショニングとは自分の体調、つまりコンディションをよりよくするための行動で、メディカルコンディショニングとフィジカルコンディショニングからなるそうです。コンディショニングでは痛みの出ている部位だけに注目するのではなく、その原因を生じている部位に目を向けて、運動連鎖を意識する必要があるということでした。また立位で荷重のかかった状態で行う複合動作が重要であるということでした。鈴木岳先生の理論を詳細まで理解するにはとうてい時間が足りませんでしたが、多数出席されていた運動指導者の方々に、重要な示唆を与えて下さっていたと思いました。 池田浩先生は2大会連続のFIFAワールドカップにおけるサッカー日本代表チーム帯同ドクターの経験から、様々な状況で多様な選手のコンディショニングの困難さなどを紹介して下さいました。代表チームではコンディショニングの方法の一つとして血液検査によりクレアチニンキナーゼやコルチゾールなども測定しているということでしたが、一般的なチームや育成世代のチームでは朝の心拍数、体重測定、疲労度の自己評価(VASを用いる)などでも十分コンディションの目安になるということでした。 両先生とも豊富な経験から、大変意義深いご講演をして下さいました。本当にありがとうございました。 |