Sport Japan vol.44の特集はRWC2019開催前にチェック「ラグビー観戦で見える数々の指導のヒント」です。 いよいよ今年9月に開幕するラグビーワールドカップ日本大会2019を控えて、RWC2019アンバサダーである大畑大介氏が「仲間の思いも背負って立つ最高峰の舞台」という巻頭コラムを書いておられます。 帝京大学ラグビー部監督の岩出雅之氏は、フェーズ(連続攻撃の回数)を10回も、20回も重ねる諦めない心の大切さを説きます。 元ラグビー日本代表選手である神戸親和女子大学教育学部教授平尾剛氏は縁の下の力持ちに徹するバイプレーヤーの重要性を紹介しています。神戸製鋼ラグビー部の優勝に貢献した世界的な名選手であるダン・カーター選手(ニュージーランド)は、自身がケガで試合に出られないときは志願してウオーターボーイ(給水係)を務めたそうです。”何かできることはないか”、チームへの帰属意識がそうした思いを抱かせて、献身の思いや敬意、勝利だけがすべてではない、と説きます。 中部学院大学教授鈴木壯氏は試合前の儀式「ウォークライ」の効能について解説しておられます。ラグビーの試合前に行われるウォークライはニュージーランド代表(オールブラックス)がパフォーマンスするハカが有名です。ハカはニュージーランドの原住民マオリの人々の伝統的な踊りで、戦場で敵と対面するときや和平を結ぶ際、一族のプライドを懸けて披露する習わしがあったそうです。鈴木壯先生はこうしたパフォーマンスをすることで気持ち(闘志、士気)をある程度のレベルにまで高めていると推測しています。鈴木壯先生によりますと、気を張りすぎてもよくないということで、緊張状態はずっと続くものではなく、緩めて強めての繰り返して、うまくコントロールしていくことがポイントであるそうです。大きな舞台でのスポーツは非日常的な場所であり、「違う場所へ行く」ための儀式であると解説しておられます。 元NECグリーンロケッツ選手冨澤浩明氏は「ワン・フォア・オール・オール・フォア・ワン」というラグビーで有名な言葉について解説しておられます。これは「一人はみんなのために、みんなは一人のために」と解釈されるが、特に後半部分は「一つの目的のために」というニュアンスがあるということでした。一つの目的を達成するためにどれだけ自分の役割を全うできたか、選手一人一人にそうした思いが強くあると説きます。冨澤浩明氏はワールドラグビーの提唱するラグビーにおける「5つのコアバリュー」である、品位、情熱、結束、規律、尊重を紹介してくれています。 その他にも、読み応えのある記事ばかりでした。 大変、参考になりますね! |