Sport Japan vol.41の特集は”ストレスをプラスに変えると…”ストレスがある、だからこそスポーツは魅力満載!です。 東北大学教授井樋慶一先生によりますと、ホメオスタシス(恒常性)をかく乱するのがストレスで、ストレスに対する生体の応答は大きく二つに分類されるそうです。一つは視床下部や脳幹部と呼ばれる脳内領域を介し自律神経系が活性化されるそうです。もう一つの反応はホルモンを介するもので視床下部にある神経内分泌細胞の指令によって副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の合成・分泌が高まり、コルチゾールがストレスに対抗し、体を防御するそうです。この様に、生体はストレスに応答し瞬時(交感神経)と少し遅れた(副腎皮質ホルモン)、ダブルのプロテクト機構によって自らを守っているそうです。ストレスも「いいストレス」と「悪いストレス」に分類されるそうで、その日のストレスをその日のうちに解消するため運動の重要性を考え、実践しているということでした。井樋慶一先生はストレスを克服してアスリートが目標を達成していくために、欠かせないのは冷静な判断とユーモアの精神であると述べておられます。 日本女子体育大学運動科学科長佐々木万丈先生によりますと、ストレスがない状態は、いわば無菌室で育った状態と同じ事で、人はある経験に対処し、学び、それゆえ免疫もできて適応力も高まるので、人として生きるためにストレスは大切なものであり、スポーツもそれを学べる大切な場の一つであると述べておられます。 大阪市立大学大学院医学研究科運動生体医学教授吉川貴仁先生は、”ストレスとの上手な付き合い方”について解説しておられ、ストレスの対策法として自分のストレスの存在に気づく、見方を変える、人は弱い者ということに気づく(大丈夫だと思わない)事を挙げられ、マインドフルネス、コーピングが有効であると述べられました。 他にも様々な立場から専門家がスポーツとストレスの関係について解説してくれています。スポーツにおいてもストレスとの付き合い方が大事ですね。とても参考になりました。 |