本日、天理親里競技場におきまして「2019 ラグビース プリングカーニバル IN 奈良」が開催されました。グラウンドドクターとして参加いたしました。
午前中にはラグビースクール交流戦が行われ、午後には天理大学vs同志社大学の試合が行われました。
今日は快晴でしたが、それにしても風が強かったですね!立っているだけでも、体が揺さぶられるような時もありました。選手たちのプレーにも、多少の影響があったかもしれませんね。
天理大学vs同志社大学の試合は関西大学Aリーグ春トーナメント準決勝を兼ねていました。強豪同士の対戦で、素晴らしい熱戦が繰り広げられました。午前中にラグビースクール交流戦で活躍した少年少女達が、大学生の試合前のエスコートキッズとして参加していました。皆、楽しそうに記念写真に収まっていた様です。
天理大学vs同志社大学の試合の時には、メインスタンドはほぼ満員でした。本競技場にはバックスタンドはなく、バックスタンド側からは芝の斜面のところから試合が望めるようになっています。多くの子ども達は芝の斜面に座って思い思いに寛ぎながら、試合観戦を楽しんでいるようでした。
試合前やハーフタイムの時などには、高校生のマーチングバンドや踊りの披露などもあり、会場全体が大変な盛り上がりでした。素晴らしい会に参加できて、良かったです。
先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。特別講演は「循環器疾患に関する最近の話題~カテーテルアブレーション治療の変遷~」で講師は名張市立病院院長藤井英太郎先生でした。藤井英太郎先生は三重大学医学部附属病院循環器内科でカテーテルアブレーションによる不整脈治療を専門としておられ、平成30年9月から名張市立病院副院長に、平成31年1月からは名張市立病院院長に就任されました。
藤井英太郎先生はブルガダ症候群、カテーテルアブレーション治療の変遷、心房細動に対するカテーテルアブレーション治療、抗凝固療法、高血圧症に関する最近の話題などについて解説して下さいました。
ブルガダ症候群とは心電図上の特徴的なST部分の上昇(coved型とsaddle back型)と心室細動による突然死を起こす疾患群であるそうで、失神や心肺停止、心室細動などの既往のある人を症候性ブルガダ症候群、心電図検査で発見され症状のない人を無症候性ブルガダ症候群と呼ぶそうです。藤井英太郎先生によりますと無症候性ブルガダ症候群は予後良好で、症候性ブルガダ症候群は予後不良であるそうです。心室細動が起こるリスクが高い場合に植え込み型除細動器(ICD)が適応となるそうですが、ICDの適応かどうかの見極めが重要であるということでした。最近、皮下植込み型除細動器(S-ICD)も開発され、使用されているということでした。
カテーテルアブレーションはカテーテルを用いて心臓内の不整脈の原因となる異常のある部位を、高周波電流を用いて焼灼して治す治療であるそうです。カテーテルアブレーションによって治すことができる病気に、心房細動などの不整脈があるということでした。藤井英太郎先生はカテーテルアブレーション治療の変遷について解説して下さいました。心房細動に対する抗凝固療法時の血圧管理は130/80 mmHg以下を目標とすべきであるということでした。
高血圧症に関する最近の話題では、「Hypertension Paradox」について解説して下さいました。高血圧症においては、他疾患に比べても治療満足度と薬剤貢献度は高いそうです。高齢化社会に伴い高血圧症の患者数は増加し、高血圧治療は進歩してきているにも関わらず、血圧が高いが未治療であったり、高血圧治療を受けているが血圧が目標に達していない患者の比率は非常に高いそうです。これには様々な要因があるということですが、高血圧症治療の今後の課題であるということでした。
藤井英太郎先生は、締めくくりに心房細動アブレーション治療が標準化し不整脈の治療成績が向上していることと、血圧管理が重要であると述べられました。藤井英太郎先生は専門外の私にもわかりやすく、丁寧に解説して下さいました。ありがとうございました。